南アルプス 甲斐駒ケ岳、仙丈ヶ岳2012年09月17日 21時17分39秒

 なにやかやとうるさいなか、やっとのことで南アルプスに登ってきました。
 夏休みをずらして9月の12日から14日までとって、連休にかけて行ってきました。
 11日、仕事を終え、最終の飛行機で東京へ。新宿歌舞伎町のビジネスホテルに泊まる。学生時代にはよく通った歌舞伎町も、40数年経って、コマ劇場がなくなるなど、だいぶ様子が変わっていた。
 コンビニでハイボールや水割りを買い込んで、いろんな思いを巡らせながら、ホテルの部屋ですっかり酔ってしまう。

9月12日
14:55 北沢峠長衛荘発
15:00 仙水峠入口
15:05 北沢駒仙小屋(改装中)前
15:45 仙水小屋 宿泊
16:30 夕飯

 翌12日は、新宿発の特急で甲府市へ向かう。甲府からは山梨交通の広河原行き最終バスに乗り込み、広河原で南アルプス市営バスに乗り換え、終点北沢峠で下りる。
 9月の平日だから、たぶん閑散としているだろうと思っていたら、バスは満員、大きなザック等がバスを埋め尽くして、車掌さんが移動するのも支障があるほどだった。
バス

 バス停のすぐ前にある長衛荘に、着替えなど当分不要な物が入ったスポーツバッグを預け、バスが登って来たほうに林道を5分程下る。
長衛荘

 左に仙水峠への案内があるので、そこを入る。
仙水小屋へ

 明日が長いので、今日のうちに少しでも登っておくつもりだ。
 キャンプ指定地となっている北沢駒仙小屋(改装中)の前を通り、渓流沿いに緩やかに40分ほど登れば、右手に今夜の宿泊地仙水小屋が現れる。
 小屋の前には、とても美味しい水があり、山好きの皇太子様がお見えになった時には大量におもち帰りになったとか、どこかで読んだ。
仙水小屋

 小屋は、バラック造りの工事部屋みたいな感じだが、食事はとびきり美味かった。山小屋でこんな食事がいただけるとはと、宿泊した全員の感想だろうと思います。
仙水小屋の夕飯

 ただし、夕飯は4時半から、翌日の朝食は、なんとまだ暗い4時からと超早いのには驚かされた。山登りの原則、早出、早帰りを食事時間で指導されているのだろうか。結果的には、それが正解だった。
 肝心の寝場所は、さすがにシーズンピーク時とは違い、今回のどの山小屋でも布団にゆったりと寝ることができ、ほぼ快適に寝ることができた。やはり人気地の山行はシーズンオフに限る。

9月13日
3:50 朝食
4:43 仙水小屋発
5:33 仙水峠
5:41 仙水峠発
7:27 駒津峰着
7:44 駒津峰発    
8:27 直登コース、まき道コース分岐
8:56 麻利支天分岐
9:40 甲斐駒ケ岳山頂
10:00 山頂発
11:38 駒津峰 昼食 
12:17 下山、双児山へ
13:10 双児山山頂
15:24 北沢峠着 長衛荘へ
   
17:00 夕飯

 13日は、その超早い朝食をいただき(これもデラックスで美味かった。)、まだ暗い中をヘッドランプを点けて登り始める。
暗い中を登る

夜明け近く

 仙水峠までは、比較的緩やかな登りで、樹林帯を抜け、ガレ場を登る。峠に着くころには、空も明るくなり、摩利支天のもっこりとした塊が眼前に現れる。
摩利支天

 峠の右手前方には鳳凰三山地蔵ガ岳のオベリスクがニョキッとそそり立つのがくっきりと見られる。
オベリスク

 少し休憩したら、左手に樹林の中の登りとなる。ここから駒津峰までが、結構の急登が続くので、とても疲れる。登っても登ってもまだ着かないのかなあという感じである。
 やっと着いた駒津峰の頂上から見上げる甲斐駒ケ岳は素晴らしい。
駒津峰から甲斐駒ケ岳

 白い岩肌の岩峰が右手に摩利支天を従え、どっしりと聳えている。なんでも「山の団十郎」と呼ばれているいるそうで、格好がいい。でも、その山体は険しそうで、どのやって登るのだろうかと、不安になるくらいである。
山の団十郎

大きな山体

 駒津峰で少し休憩して、いよいよ本体にとりつく。尾根をアップダウンすると、直登コースと巻き道とに分かれる。直登コースは大小の岩が重なり、とても険しそうだ。下ってきた人に様子を聞くと、前半に数か所大きな岩が立ちふさがり、登るのを諦めて引き返そうかと思うくらい険しく難しいですよとのこと。そう聞くと、迷わず巻き道コースを選ぶ。あとで山頂で、やはり直登コースを登ってきた人に聞くと、同じようなことを言われるので、一般の人は巻き道コースを登ったほうが無難なようだ。
 巻き道コースも平坦ではない。すぐに下りとなり岩場が続く。岩場のアップダウンを息を切らしながら登ると、ようやく細かい砂状の岩の道をなる。北アルプス燕岳の山頂付近の様子とよく似ている。
ざらざら道

 これまでの天気は上々であったが、このあたりからガスが出てきた。山頂辺りはガスでもう覆われていて見えない。踏み跡をしっかり見ながら登らないと道を間違える。まあ、登りだから大丈夫だけど。
ざらざら道2

 大きな山体の白いざらざらした岩をゆったりと、しかしかなりの急な角度で高度を上げると、いきなりガスが切れてきて、山頂が見え始めた。
 山頂には社があり、中には立派な仏様が祀られていた。まだ、ガスの中で、遠くの展望は得られなかったが、山頂を踏むことができ満足した。
甲斐駒ケ岳山頂の社

甲斐駒ケ岳山頂

 下山は、往路を駒津峰まで戻り、そこで昼食、休憩したあと、双児山経由とする。駒津峰の双児山コースの入り口には、北沢峠まで1時間50分と書いた案内板が立っているが、よほどの健脚な人でないとこの時間では難しいだろう。普通には2時間半くらはかかるのではないだろうか。僕は、今回は超スローペースで下山したので3時間以上かかってしまった。
 ともかく双児山は、駒津峰からは見えない。見えるピークを越えたその先にあるピークで、かなり下って登り返すので、けっこう疲れる。甲斐駒ケ岳本体での疲れがあるので、とてもこたえた。
双児山

 双児山からは、ジグザグの道を嫌になるほど下ると、やがて車の音や小屋のディーゼルの音などが聞こえてきて、やっと北沢峠の長衛荘の右手に出てくる。
 本日の泊まりは、洒落た造りの長衛荘で、1階の通路の脇の寝室は一人ひとりカーテンで仕切られており、これも快適な睡眠となった。

 続きは、後日。