模倣犯2013年03月16日 20時33分40秒

模倣犯
 花粉症との付き合いは、もう30年以上にもなるのに、何故か今年はことのほか症状が酷い。
 そこで、3月の間はできるだけ山登りは自粛している。身体がなまるけれど、仕方ない。
 つまらないので、買い置きしているミステリーの一部を読んだ。

模倣犯(一)~(五)(宮部みゆき 著)新潮文庫

 昨年は、宮部さんの作品「ソロモンの偽証」が、「このミステリーがすごい!」の第二位にランクされているが、単行本で三冊という大作で、本代を考えると、せめて文庫になってからというので、まずは敬遠している。
 同じ宮部さんの「模倣犯」は、2001年の「このミステリーがすごい!」と「週刊文春ミステリーベスト10」との双方の一位となったベストセラーで、もう映画化もされている。
 これも超大作で、文庫本でなんと五冊という長大な作品なのだが、購入はしていた。読むのに時間がかかりそうなので、読むのをちょっと敬遠して後回しにしていた。それに宮部みゆきさんの作品は、なんとなくだらだらとしていて、締りがないような感じを受けていたので、それほど急いで読む気がおこらなかった。

 未読のミステリーがたまるばかりなので、この機会に少し片付けようと読み始めたのだが、しかし、この作品は、評判通りなかなか面白かった。

 一冊目は、いつものようになんだか退屈な感じで、書かなくても済むことをだらだらと書いているなという感じだったが、二冊目になってくると、だんだんと面白くなってくる。四冊目、五冊目は一気読みですね。

 大変よく構成された物語で、細部まできちんと計算されているよくできた犯罪小説ですね。
 ただ、これだけ頭のいい犯人が、ラストに向かってとる行動は、そんなことするかなという感じです。そこをおかしいなと否定すると、この小説もつまらない出来かなと思えてしまう。

 それにしても、こういうエンターテイメント小説が、文庫本で五冊とは長すぎると思います。ミステリーは、文庫でもやはり一冊か、どんなに長くても上下二冊にまとめるべきだと思うのですが。

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模倣犯: 山と音楽とミステリーと