バカラ2012年10月08日 00時19分27秒

バカラ
バカラ(服部真澄 著)文芸春秋
 バカラは、トランプを使って行われるカジノゲームだそうです。まあ、博打の一つですね。ルールーは全く知らないけど、ブラックジャックと似ているのかな。
 10年前に出された本ですが、何故か読まずに本箱の隅に積んでいた。
 バカラにはまっている雑誌記者が主人公で、公営カジノの話が新進実業家を絡ませて進展する。そしてその裏に、大きな陰謀が動く。
 前半部分は、ちょっともたつくが、後半になって面白くなってくるが、服部真澄さんの作品にしては、ちょっと地味なほうだろうか。
 服部真澄さんは、女性作家ということだが、僕がそれまでに読んだ作品「龍の契り」、「鷲の驕り」、「ディールメーカー」のいずれもが、国際を舞台にした、とてもスケールの大きいテンポの速い、しかもとてもおもしろいものばかりだった。
 だが、この「バカラ」は、それらに比べるとちょっと「落ちる」のかなと思う。この本が出された2002年の「このミステリーがすごい!」では、まったく取り上げられていません。ちなみにこの年の1位は、横山秀夫さんの「半落ち」です。
 気になっていた古い本の一冊をやっと読んだという感じだ。本箱の中には、まだまだ順番を待っている古い本がたくさんある。ちらっと眼をやっては、時間がないなあとぼやく。

三郡山2012年10月09日 00時03分51秒

三郡山(さんぐんざん 935.9m)
 天気のいい三連休というのに、小刻みに用件が入り、山に遠出するまとまった時間がとれない。 
 連休最後の今日はたまらず、近場でもいいから登ろうと出かけた。バス停油須原公民館前から宝満川源流コースを三郡山に登る「源流コース」だ。このコースは、九州・山口版の「グリーン・ウォーク」2012年夏号に紹介されていたコース。
 バス停から村落に入り、林道を射撃場の下を通れば、駐車スペースがあり、そこが登山口で、ちょっとわかりにくい。
 登山道は、登る人が少ないのと数回の豪雨で、だいぶ荒れてきている。登るたびに道がわかりにくくなってきた。それでも、なめ滝のある渓流や自然林が多い、この山域ではいいコースだと思います。
なめ滝

苔谷
 

 時間があれば、三郡山から宝満山まで縦走路を歩き、宝満山から長崎鼻まで戻ってから下る「ゴールデン・トライアングル・コース」にしたかったのだが、下山が遅くなるので、「天の泉」から下るコースにした。
三郡山山頂

秋の空

 三郡山の山頂にはススキが伸びて、空にはうろこ雲らしい雲がでて、もう秋だなあという感じでした。でも、今日はちょっと気温が高い。汗が出る。
 三郡山からは、宝満山への縦走路をちょっとだけ下れば、すぐに左に「天の泉」への案内表示があり、そこを下る。
天の泉へ

 「天の泉」は、ちょろちょろと水が湧き出しているところです。立派なロマンチックな名前のような「泉」があるわけでもなく、細いビニール管から水が流れ出しているところで、それでもこれも宝満川源流の一つだと思います。枯れていることが多いのですが、今日はなんとか流れ出していました。
天の泉

 気持ちのいい自然林の中の道を緩やかに下り、すぐに急降下がはじまると、途中から踏み跡がわかりにくくなり、右へトラバースして登り返したりで、道がちょっとわかりにくい。山慣れた人でないと、道に迷うかもしれない。
 やがて、源流コースと合流すると、ほどなく駐車場所に戻る。
 ちょっとものたりない山行だけど、森の中は暗くなるのが早いので、今日はこれが適当だったでしょう。
(11:43)油須原公民館上林道発、 (13:25)三郡山山頂、昼食、
(13:55)下山、 (14:08)天の泉、 (14:34)源流コースと合流、
(15:08)駐車場所に戻る。


珈琲店タレーランの事件簿2012年10月13日 00時23分24秒

珈琲店タレーラン
珈琲店タレーランの事件簿(岡崎琢磨 著)宝島社文庫
 今日はうんと新しい本。先週末の天神のジュンク堂の文庫で、ベスト1になっていた本です。
 昨年末の「このミステリーがすごい!」の「このミステリーがすごい大賞」で、「隠し玉」となった作品を改稿したものらしいです。
 事件簿というと、なんとなく本格物みたいな感じをうけるし、新しいタイプの安楽椅子探偵物かなと思ったし、読みやすそうな文体だから、本屋でぱらぱらとめくって買ってしまった。
 確かに読みやすいし、面白かったのですが、やはりミステリーとしては謎もサスペンスもスリルも小さい。そこが物足りなかったし、なるほど大賞には届かないなという感じです。
 表紙カバーの漫画の少女のような、魅力的な若い女性バリスタ(この言葉も初めて知った)など、登場人物のキャラクターは十分に面白いのですが、これはミステリーというより、ミステリー風味のユーモアー恋愛小説と言ったほうがいいでしょう。でも、文章は、明解で上手い。

朝日会ハイキング2012年10月14日 22時02分56秒

猟師山(りょうしやま 1423.2m)、合頭山(ごうとうざん 1384m)
 朝日会の10月の例会は、九重の猟師山と合頭山のハイキングでした。二山とも九重連山からちょっと離れた小高いなだらかな丘陵状の山です。猟師山は、スキー場側から登ると、途中にオオヤマレンゲが咲いているので有名だ。
 今回は、やまなみハイウェイで牧の戸峠を阿蘇のほうに少しだけ下ったところにある登山口から登った。(牧の戸峠から数百m下ると左手に駐車スペースがあり、その反対側が登山口。
猟師山登山口

 以前は猟師山登山口の表示があったが、今は朽ちてなくなったようだ。
 登山口から緩やかに登れば、すぐに丘陵の上に出る。そこから右に分岐すれば合頭山に向かう。
猟師山へ

 ススキの野をゆったりと直進する。緩やかに下って登り返せば、猟師山の山頂はすぐ。山頂の表示は、「猟師岳」が大きく新しいが、その下には「猟師山」との表示もある。ここは、昭文社の「山と高原地図56 阿蘇・九重」の表記に従い「猟師山」とします。
猟師山山頂で

猟師山山頂からの阿蘇

猟師山からみた九重連山

 山頂で、昼食をとり、引き返して分岐を合頭山へ。合頭山は、その名の通り、三つの柔らかなピークを合わせたものであろう。
合頭山

 一番奥に山頂の表示がある。とても見晴らしのいいところだ。このあたりから見る九重連山はとても形がいい。
九重連山2

合頭山山頂

ゆったりとした丘陵を歩く

 軽く汗をかく程度の気持ちのいい歩きで、天気も良く秋の涼しさの中、快適なハイキングができた。
(11:07)牧の戸峠下登山口発、 (11:23)合頭山分岐、 
(11:48)猟師山山頂、昼食、
(12:13)下山、 (12:35)合頭山分岐、 (12:47-53)合頭山山頂、
(12:53)下山、 (13:15)登山口に戻る。

 
 下山後は、南小国町の蔵迫温泉「さくら」の貸コテージに泊まる。室内に半露天風呂がついている贅沢なコテージだ。 
蔵迫温泉さくらのコテージ

 キムチ鍋で腹ごしらえをし、いつものように麻雀を楽しむ・・・つもりだった。
いつもの麻雀

 が、「ローン!!!」と四暗刻単騎に振り込んでしまって、あとはじり貧。とほほ。

 翌日は、ヒゴタイ公園に寄り、
ヒゴタイ(終期)

公園の花クレオメ

公園のコスモスと阿蘇山

 日本名水百選の「池山水源」の水を飲み、
水源

水源2

 いつものように「そば街道」に足を運び「季里」で蕎麦を食して、帰路についた。

そば街道「季里」


ブルッフ ヴァイオリン協奏曲2012年10月19日 00時15分27秒

ブルッフ ヴァイオリン協奏曲
ブルッフ ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調
ハイフェッツ(ヴァイオリン)
サー・マルコム・サージェント指揮 ロンドン新交響楽団

 昨日水曜日のテレビドラマ「相棒」では、杉下警部が「パリのアメリカ人」を聴いていたようですが、僕はブルッフのヴァイオリン協奏曲を聴きました。
 実は、最近までこの曲のことを全く知らなかった。ブルッフという作曲家のことも知らなかった。僕自身、クラシックマニアではないものの、クラシックファンの一員と思っていたのに、全く恥ずかしい。
 何かの雑誌でこの曲のことを知り、アマゾンでCDを取り寄せて聴いてみた。
 本当に素晴らしいヴァイオリン協奏曲ですね。なんでも、ベートーヴェン、メンデルスゾーン、ブラームス、チャイコフスキーのそれと並んで五大ヴァイオリン協奏曲とも言われているそうです。
 なるほど、魅惑的な第1楽章、とても美しい第2楽章、そして最高の盛り上がりで終わる第3楽章とこれぞヴァイオリン協奏曲という魅力的な曲だ。どこか人工的な、一生懸命創りましたという感じがしないではないが、聞き慣れればそんな感じはなくなるだろう。
 こんな素晴らしい曲を今まで聴いたことがなかったなんて、僕の音楽体験なんて、なんて貧しいんだ、こんな調子だと、まだまだ聴いていない素晴らしい曲がたくさんあって、聴かないまま死んでしまうのだろうなと寂しく思って落ち込んでしまいますね。
 なお、このハイフェッツのCDには、同じブルッフのスコットランド幻想曲やヴュータンのヴァイオリン協奏曲も収められており、いずれも素晴らしい演奏だと思いました。

ショパンの夜想曲2012年10月31日 23時02分33秒

 いい季節になりました。冷房も暖房も無しに、ステレオの前に座っていることができる。音楽鑑賞には、本当にいい季節です。
 こんな時に、僕がきまって聴きたくなるのが、ショパンの夜想曲集だ。ショパンの曲の中で、僕の最も好きな曲集です。これぞショパンだなあという感じの曲集です。
 聴きながら、ちょっと感傷的になって想い起こすのは、遠い昔の失恋のこと。辛くて苦い想い出ですが、この曲を聴いていると、なんだかその想い出すらも甘美で愛おしく思えてくる。
 今までずっとルービンシュタインのレコードを聴いていて、これ以上の演奏はないだろうし、この演奏こそがショパンだと思っていたので、他の演奏を聴く気もしなかった。
ルービンシュタイン夜想曲

 でも、ふとしたことで、好き嫌いの相半ばするポリーニのを聴いてみたくなった。浮気心ですか。
ポリーニ夜想曲

 ルービンシュタインの哀愁と暖かさに比べ、ポリーニのは速いテンポで陰影くっきりと美しく迫ってくるという感じですかね。なかなか魅力的で、浮気にはいいCDだと思いました。