さよなら妖精2016年02月07日 21時46分17秒

さよなら妖精
さよなら妖精(米澤穂信 著)創元推理文庫
 昨年の国内ミステリー三冠王は、米澤穂信さんの「王とサーカス」でしたね。それを読もうと思ったら、その主人公が初登場する小説があるということを知った。それがこの「さよなら妖精」だ。僕の性格上、そういうものがあるのなら、それを先に読まなくてはどうも先に進めない。
 ということで読みましたよ。その気になれば短時間で読めるやさしい読みやすい小説です。
 僕は、ミステリーを読むつもりで読み始めたのですが、犯罪はいつまでも起こらないし、もちろん殺人事件など起こらないのですよ。
 なんだか青春小説を読んでいるような気分になりました。
 ミステリー小説だから、謎はきちんとあります。それを解く手がかりもフェアに書かれているのですが、最後の部分にならないと何が謎で、どう解き明かすのかわからない。
 まあ、普通のミステリーとは違った謎解き小説ですね。
 探偵役の一人「太刀洗万智」が、次の「王とサーカス」の主人公(探偵役)になるのでしょうが、まだ高校三年生で、その個性も少しぼんやりとしていて確立されていないような感じです。さあ、10年後の太刀洗万智がどのような女性になっているか、「王とサーカス」を読むのが楽しみです。
 ああ、それとユーゴスラビア連邦が物語のもう一つの舞台(?)なのですが、作者の卒論のテーマがユーゴスラビアだった(ウィキペディア)ということらしいいので納得。
 この「さよなら妖精」は、2005年版の「このミステリーがすごい!」で20位にランクされている。

カッチャンへ2016年02月07日 22時31分49秒

 ブログ読んでくれていてありがとう。あなたは、相変わらず多読のようですね。僕は読書量がめっきりと減りました。
 2月に入って体調を崩し、家でじっとしていたのですが、ようやく回復したみたいです。
 でも、読書も意欲がわかず、音楽も中途半端な聴き方をしています。テレビばかり見ていてよくないです。
 A君と飲んでいるとき時々あなたの話になります。近いうちに誘いますからよろしく。その時にもまた、面白い本を教えてくださいね。

王とサーカス2016年02月20日 20時04分53秒

王とサーカス
王とサーカス(米澤穂信 著)東京創元社

 読みましたよ。変な題名のミステリーだけど。まあ、面白かった。

 現場はネパールの首都カトマンズ。実話を題材にした物語です。
 2001年6月1日に、カトマンズにある王宮で、国王や多数の王族が殺されるという事件が起こった(ナラヤンヒティ王宮事件)。
 
 犯人は王太子のディペンドラらしいということだが、彼は事件直後に自殺を図ったとかで危篤となり、三日後に死亡した。以後、現在まで真相は闇の中という実際にあった事件らしいです。
 (この事件は、当然、日本でも報道されたのでしょうが、何故か僕はこの小説を読むまで全く知らなかった。)

 小説は、別の用件でカトマンズに来ていたフリーの記者が偶然事件に遭遇し、これを取材する過程ででくわした、ある事件にどう対応していくのかというものです。

 ということで、表題の「王とサーカス」の「王」は、文字通り王宮事件そのもので、「サーカス」は、見世物の例えでしょうか。つまりは報道とは何か、何を何故報道するのか、報道の意義をどうとらえるか、を考えう上での表徴として併記したのでしょうか。

 さて、物語のほうでは、先日読んだ「さよなら妖精」に出てくる、当時高校生だった太刀洗万智さんが(この主人公の名前は、僕はどうも歌人の俵万智さんをイメージしてしまいますね)、大学を卒業し、新聞記者を経験し、フリーの記者になったばかりという、10年後の話です。なんとなく魅力的な感じはあったもののどうもはっきりしないキャラクターの彼女が、どのような女性として描かれているのかもこの小説を読む動機になっていましたが、どうやらそこらへんはまだ明確にはなっていないようです。
 ポーカーフェイスで冷たい感じの目をした、用心深く観察眼のするどい女性というだけで、体格や顔だちなど容姿がよくわからない。前作では武術の心得もあるようだったけどそこらへんも含めて、もっと魅力的なキャラにして欲しいなあ。

 「王とサーカス」という表題どおり、小説の舞台とテーマはとても大きくて深刻なんですが、ミステリーとしての仕掛けはやや小ぶりだが、作り過ぎかなという感じがします。それに犯人と動機は物語の途中で想像つくし、後で明らかになる伏線などもわざとらしい感じも受けます。

 外に面白い作品があった年なら、三誌でベストワンに選ばれるようなミステリーではないのではないかとも思う。

 ミステリー風味の面白い、けれどもまじめな物語小説というのが僕の評価ですが、読む価値はおおいにあると思いますよ。

 主人公太刀洗万智のその後の事件(短編6編)をまとめた「真実の10メートル手前 」も昨年末に出されているようなので、それも買ってもう少しだけこの主人公の物語を読んでみたいと思っています。

四王寺山から太宰府へ2016年02月21日 21時42分40秒

 今日はとても天気がよかったので、ぶらりと山歩きをしてきました。近頃朝寝の癖がついてしまっているので、出かけたのは午後から。

 四王寺県民の森公園に車を停め、ずっと気になっていた、焼き米ヶ原から下って西鉄太宰府駅に至る九州自然歩道がどうなっているのか確かめることだ。

 公園の子供の国を抜けて少し登ると焼き米ヶ原に出る。そのすぐ手前で車道を渡る前に、急に薄茶色の小さな生き物が飛びついてきた。

子犬と出会う

 びっくりしたが、よく見ると毛が長い子犬だった。トイプードルとヨークシャーテリアの雑種みたいな感じだが、がりがりに痩せている。足を止めると、僕の足元にうずくまってなついてくる。あまりにも痩せているので、かわいそうになって、持っていたクラッカーを取り出してやろうとしたが食べようとしない。警戒しているのかなと思って、口の中に入れてやったら、今度はがつがつと食べ始めた。犬好きの僕としては、なんだかほっておけない気持ちになって家に連れて帰ろうかとも思ったが、あきらめた。後ろ髪ひかれる思いで(あ、僕はあまり髪の毛ありませんよ)その場を離れる。帰りにまだここに居たら連れて帰ってやろう。
 焼き米ヶ原からすぐ右に下る九州自然歩道は、途中に石仏2番、3番、4番への分岐があり、水瓶山の手前からは1番石仏への分岐もあるので、水瓶山までは下ったことがあった。かなり急なくだりである。
 (ところで、この水瓶山なのだが、たんなる途中の肩のようなところなのだが、なぜ山の名前がついているのだろうか。)

水瓶山

 水瓶山の白い社の先からずんずんと下っていくと、途中「黒岩稲荷神社」という小さな社があった。

黒岩稲荷神社

 赤い鳥居もいくつか並んでいる。その下には大きな砂防ダムがあって、ダムの内側を通って降りていく。

砂防ダムと黒岩稲荷神社

 自然歩道は、最後の木の鳥居をくぐって舗装道路をまっすぐ下るのだが、僕は間違えて左へ舗装されていない小道のほうに下った。そのほうが自然歩道らしいと思ったからだが、結果的に間違いだった。

太宰府の家並み

 間違いながらもなんとか見当をつけて太宰府の家並みの中を歩いていたのだが、途中で出会った親切なご老人(昭和11年生まれとかおっしゃっていたな)に、道案内をしていただいて助かった。おまけにこの近くにある古城(浦ノ城=1282年、少弐氏によって築かれたもの)の跡なども教えていただいた。

浦ノ城跡

 教えられたとおりに進むと、やがて自然歩道の案内が現れ、さきほど直進せずに間違った鳥居のところに出た。

九州自然歩道

間違った箇所

 ここからは、砂防ダムの後ろを通り、

砂防ダムの裏

黒岩稲荷神社を通って、焼き米ヶ原まで登り返した。

焼き米ヶ原から見た太宰府市街

 焼き米ヶ原で、クラッカーとスープで休憩したあと、行きに子犬と出会った場所に戻って周りを探してみたのだけど、子犬の姿はもう見ることがなかった。

(12:26)県民の森公園発、 (12:38)子犬と出会う、 
(12:47)焼き米ヶ原九州自然歩道入口、 (13:05)水瓶山、 (13:09)黒岩稲荷神社、
(13:35)浦ノ城跡、 (13:53)砂防ダム、 (14:04)水瓶山、
(14:26)焼き米ヶ原、 (14:55)県民の森公園に戻る。

君はメロディー2016年02月22日 21時52分06秒

 昨夜寝る前にテレビをつけたら、ミュージックジャパンという番組でちょうどAKB48が新曲を披露するところだった。「君はメロディー」という曲だが、春らしい明るい感じのいい曲でした。
 板野友美などの卒業生も含めたバージョンと、昨夜披露されたような現役バージョンがあるらしい。昨夜の現役バージョンは各人の衣装が制服みたいなのではなく、私服みたいで、清楚感のあるコスチュームが好感が持てました。AKB48も変わりつつあるのかな。
 それにしても、今回単独センターの宮脇さくらさんは、すっかり大人になって魅力的になりましたね。