ボストン、沈黙の街 ― 2016年11月20日 22時34分27秒
ボストン、沈黙の街(ウィリアム・ランデイ著 東野さやか訳)ハヤカワ文庫
これも買い貯めていた文庫で、13年前の2003年のベストミステリーだ。
2004年版の「このミステリーがすごい!」の海外物の第7位、週刊文春「2003ミステリーベスト10」海外部門の第3位にランクされている。
「発表前から世界中のミステリ界を揺るがした必読の新世代小説」と紹介してあるから、まあ読みたくなりますよね。それで買っていたものと思います。それに帯には、「驚愕のラストまで一気読み!!」なんてことも書いてあるから余計にね。
文庫でも650ページを超える大作なので一気読みとはいかないけれど、訳文がこなれているのか、とても読みやすい文章だ。
しかし、海外物の登場人物は、誰が何者だったかがやはり判別しにくい。姓であったり名であったり、ニックネームであったり、職業であったり、誰のことかわからなくなり、しょっちゅう登場人物一覧をめくることとなる。これがやはり面倒くさいですね。
田舎町の若い警察署長が、地元で起こった殺人事件の真相を追ってボストンに出て行って、ギャングや司法界の海千山千と渡り合うのだけれど、その物語とはもう一つ別の物語が隠されていて、それが「驚愕」のラストに結び付いていく。
まあ、途中までの予測はできるのだけれど、結末は、僕は全く推理できなかったし、大半のミステリーファンは納得しないだろうなあ。少なくとも僕は嫌だね。でもそこが、「新世代ミステリ」たるゆえんかな。
それに、一番最後の文章「いちばん深い場所をめざして。」をどう解釈したらいいのだろうか、僕は考え過ぎてしまう。
これも買い貯めていた文庫で、13年前の2003年のベストミステリーだ。
2004年版の「このミステリーがすごい!」の海外物の第7位、週刊文春「2003ミステリーベスト10」海外部門の第3位にランクされている。
「発表前から世界中のミステリ界を揺るがした必読の新世代小説」と紹介してあるから、まあ読みたくなりますよね。それで買っていたものと思います。それに帯には、「驚愕のラストまで一気読み!!」なんてことも書いてあるから余計にね。
文庫でも650ページを超える大作なので一気読みとはいかないけれど、訳文がこなれているのか、とても読みやすい文章だ。
しかし、海外物の登場人物は、誰が何者だったかがやはり判別しにくい。姓であったり名であったり、ニックネームであったり、職業であったり、誰のことかわからなくなり、しょっちゅう登場人物一覧をめくることとなる。これがやはり面倒くさいですね。
田舎町の若い警察署長が、地元で起こった殺人事件の真相を追ってボストンに出て行って、ギャングや司法界の海千山千と渡り合うのだけれど、その物語とはもう一つ別の物語が隠されていて、それが「驚愕」のラストに結び付いていく。
まあ、途中までの予測はできるのだけれど、結末は、僕は全く推理できなかったし、大半のミステリーファンは納得しないだろうなあ。少なくとも僕は嫌だね。でもそこが、「新世代ミステリ」たるゆえんかな。
それに、一番最後の文章「いちばん深い場所をめざして。」をどう解釈したらいいのだろうか、僕は考え過ぎてしまう。
そして誰もいなくなった ― 2016年11月26日 23時44分40秒
そして誰もいなくなった(アガサ・クリスティー著 青木久恵訳)ハヤカワ文庫
本格ミステリーのベスト10をと言われるときに必ずあげられるのがこの「そして誰もいなくなった」ですね。
平成25年に発行された週刊文春臨時増刊「東西ミステリーベスト100」の海外編で第1位に挙げられているし、1990年の英国推理作家協会の「史上最高の推理小説100冊」では19位、1995年のアメリカ探偵作家クラブの「史上最高のミステリー小説100冊」では10位にランクされています。
本格推理小説のガイドブックには必ずでてくる名作です。
僕がこのミステリーを最初に読んだのは、29年前です。本土から遠く離れた孤島に集められたいわくのありそうな10人、そして古い童謡に似せて行われる殺人、と本格ミステリーの舞台は整えられており、雰囲気があります。特に旧訳(清水俊二訳=僕が最初に読んだのはこちら。)はそうですね。
余計な描写はなく簡潔な物語描写はわかりやすいし、分量も手軽に読める程度で、娯楽としてのミステリーとしては最適です。僕としてはベスト1に挙げるほどではないけれど、面白かったし、こんなの好きですね。でも、最初読んだときは、何かしっくりこなかった。トリックにも納得いかなかった記憶がある。
あとで知ったのだが、旧訳は誤訳があったとのことで、2010年に新訳が出た。比較しながら読もうと思って買っていたのだが、延び延びになっていた。
ところが、明日(27日)日曜日夜9時からNHKBSプレミアムで、放送されるということで、その前に読み直しました。
新訳は、孤島での連続殺人事件という雰囲気は少なくなっているけれど、とても分かりやすい表現ですいすい読めるし、謎解きもすっと入ってくる。
まあ、そのぶんご都合主義的な筋立てやトリックの疑問点もあらわになってくるけれど。
明日からのテレビがどんなふうに描くのか楽しみです。
本格ミステリーのベスト10をと言われるときに必ずあげられるのがこの「そして誰もいなくなった」ですね。
平成25年に発行された週刊文春臨時増刊「東西ミステリーベスト100」の海外編で第1位に挙げられているし、1990年の英国推理作家協会の「史上最高の推理小説100冊」では19位、1995年のアメリカ探偵作家クラブの「史上最高のミステリー小説100冊」では10位にランクされています。
本格推理小説のガイドブックには必ずでてくる名作です。
僕がこのミステリーを最初に読んだのは、29年前です。本土から遠く離れた孤島に集められたいわくのありそうな10人、そして古い童謡に似せて行われる殺人、と本格ミステリーの舞台は整えられており、雰囲気があります。特に旧訳(清水俊二訳=僕が最初に読んだのはこちら。)はそうですね。
余計な描写はなく簡潔な物語描写はわかりやすいし、分量も手軽に読める程度で、娯楽としてのミステリーとしては最適です。僕としてはベスト1に挙げるほどではないけれど、面白かったし、こんなの好きですね。でも、最初読んだときは、何かしっくりこなかった。トリックにも納得いかなかった記憶がある。
あとで知ったのだが、旧訳は誤訳があったとのことで、2010年に新訳が出た。比較しながら読もうと思って買っていたのだが、延び延びになっていた。
ところが、明日(27日)日曜日夜9時からNHKBSプレミアムで、放送されるということで、その前に読み直しました。
新訳は、孤島での連続殺人事件という雰囲気は少なくなっているけれど、とても分かりやすい表現ですいすい読めるし、謎解きもすっと入ってくる。
まあ、そのぶんご都合主義的な筋立てやトリックの疑問点もあらわになってくるけれど。
明日からのテレビがどんなふうに描くのか楽しみです。
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