犯人に告ぐ2007年11月30日 23時47分20秒

犯人に告ぐ(雫井脩介著 双葉文庫)
 今、丸善に平積みしてあり、帯に「週刊文春第1位」、「週刊現代第1位」、「傑作大ベストセラー」とあるのに魅かれて購入した。
 過去に誘拐事件で失態を犯し、左遷された警視が、児童連続殺人事件に挑む。劇場型捜査というユニークな手法で。
 なるほど、面白い。確かにベストセラーになるだけのことはある。上、下、二冊を一気に読んでしまった。近頃、本を読むスピードがぐっと落ちているのに、珍しいことだ。
 テーマは重苦しいのだが、テンポがいいので、暗くない。次から次へとス
トーリーが展開し、どうなる!どうなる?と次が読みたくなる。「罠」も周到だし、溜飲が下がる。よくできたエンターテイメントである。
 まあ、果たして現実的にはどうかな、このような行動をとるかな?という面は多々あるけれど、そこは小説。文句なしに面白く読める警察小説である。
 なお、2004年の「このミステリーがすごい!」では、8位にランクされている。