ベートーヴェンピアノ協奏曲第5番2007年12月03日 00時14分28秒

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番変ホ長調作品73「皇帝」
(p)ウィルヘルム・バックハウス ハンス・シュミット・イッセルシュテット指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

 先週朝、通勤の車の中でNHK・FMから流れていた曲がこれ。車での通勤は、10分くらいだから当然ほんの一部分だけ。たしか、フルトベングラー指揮とか言っていたけどピアノは誰かわからなかった。家に帰ってゆっくり聞きたいなと思っていたけど、なかなか時間ができず、やっと今夜聴くことができた。
 ベートーヴェンのピアノ協奏曲のうちで一番有名なのがこの曲だろう。その名の通り堂々とした曲である。僕は、何故かこの曲の第一楽章を聴くと、坂本九の「上を向いて歩こう」を思い出す。
 バックハウスの演奏は、録音のせいかもしれないが、なんだか骨太で男性的な感じを受ける。
 もっとも、他のレコードをじっくり聴いたことが無いからあてにはならないけれど。

雨の影2007年12月07日 00時42分10秒

雨の影(バリー・アイスラー著 ヴィレッジブックス)

 日米混血の殺し屋が主人公のスパイアクション小説。なんのためらいもなく人を殺す殺し屋。ゴルゴ13を思い出すというか、ものすごく強い。実際にこんな殺し屋が存在しているとしたら危険極まりないことなのだが、その彼が、正義の味方かと思われるような、スーパーヒーローとして活躍する。きちんとした人格者として。
 こんな悪人の主人公にも、ついつい共感し、肩入れしてしまう。舞台は、日本。
 敵の多い殺し屋の安全確保のための身の処し方や、尾行のまき方なども詳細だ。美女との絡みも、格闘シーンもリアルで興奮する。
 冒頭の皮肉たっぷりの持って回った言い方、いかにも翻訳ものといった文体に、嫌だな、こんな文体は好きではないなあと思いながら読み始めたのだが、すぐに慣れて、面白さにぐいぐいと一気に読み進めてしまった。
 この「雨の影」は、同じ主人公の二作目で、一作目「雨の牙」の続編となっているようで、できれば一作目から読んだほうが前後の関係が理解しやすいのではと思われる。雑誌「ダカーポ」2006年9月6日号の特集「眠れないほど面白い本111冊」の中で紹介されていた本である。シリーズ4部作となっていて、三作目「雨の罠」、四作目「雨の掟」も既に出版されているようである。

あとは文春2007年12月07日 23時31分11秒

 今日、本屋に行ったら、ミステリーベスト10を紹介した雑誌が三冊出ていました。
 「ダカーポ」の特集「今年最高の本」、「PLAY BOY」1月号の特集「ミステリー徹夜本をさがせ!」、それに20年目になった「このミステリーがすごい」。
 あと、来週か再来週に特集されるであろう「週刊文春」の特集「傑作ミステリーベスト10」だが、これは、この時期になると、本屋で手にとって目次を注意してみていないと買い損なう。「週刊文春」は、いつもはその年の最後の号に特集されるのだが、昨年は12月14日号だった。
 ベストテンで紹介されたもの以外にもいい作品はあるのだろうが、貧乏暇なしの身であるから、こういった雑誌を参考にして読むのが精一杯である。だから、こういった企画は、大変ありがたい。
 僕は、普通は、「文春」と「すごい」との両方ともに上位にランクされているのを買って読むようにしている。
 さて、今年は何を読もうかな。

朝日会の忘年会2007年12月09日 00時28分27秒

 今日は、朝日会の忘年会だった。朝日会は、へこたれ団塊おやじの6人組。ほんとうは沈む「夕日会」と命名したのだが、まあギャグで「朝日会」となってしまった。正午に集まって、マージャンをした後、夕方から焼肉屋で宴会。いつもどおりの馬鹿話で盛り上がる。たった今帰ってきた。酔っ払いおやじになった。眠たいよ。
 朝日会は、毎月1回必ず全員参加でのハイキング後宿泊キャンプを例会としている、とても健全な会です。たとえ、話している内容は聞くに堪えないとんでもないことでもね。

四王寺山2007年12月09日 22時35分50秒

 昨夜は飲みすぎたし、今朝は用事があったので、今日も山登りは昼近くからになった。先週は、所要で登れなかったので、なんとしても今日は山歩きしないと、欲求不満になる。が、時間を考えると、登る山は限られる。裏山が、まだ紅葉が美しく見えるので、久しぶりに裏山を歩いてみる。
 裏山、四王寺山は、「四王寺県民の森」となっていて、遊歩道やトイレ、野外音楽堂など、よく整備されたハイキングコースである。
 山と渓谷社「福岡県の山」には、太宰府政庁跡の横から登るコースが紹介されているが、僕は自宅に近い大野城総合公園の上から登る。公園の奥から通じる舗装林道を少し登ると右手に立派な駐車場がある。そこに車を置いて舗装林道を少し登った左側に、「毘沙門堂1.3km」との案内標識があり、横木が渡した遊歩道が山頂まで続いている。
 遊歩道としては少し急な登りではあるが、30分程度の登りで、ひと汗かけば毘沙門堂に着く。
 その左手前の林の中に、山頂がある。地図には「大城山410m」とあるが、二等三角点が設置されているだけ何もないところで、わざわざ山頂を踏む人は少ないのではとも思われる。ここをピークとした低い山地全体が「四王寺山」と言われているようで、ちょうどカルデラのように中央部分が低地になり、外輪部分を一周2時間程度で回ることができるハイキングコースである。
 北西に福岡市と博多湾が開け、東には宝満山や三郡山が聳え、南は太宰府市から筑後地方へと平地が広がっていて、それら展望しながら気分よく歩けるコースである。この山全体が、太宰府政庁の守護のための山城として、あるいは敵襲の場合の避難場所として機能していたようで、コースのいたるところにその史跡が見られる。
 今日は、比較的暖かい天気だったので、多くのハイカーと出会った。
 いったん登ってしまうと、あとはアップダウンが小さいので、山登りとしては物足りないが、夕べのアルコールを追い出すには程よい歩きだったのかもしれない。

第九の季節2007年12月11日 00時00分10秒

 先週、朝のNHK・FMがベートーヴェンの第九交響曲を流していた。今年も、もう第九の季節になった。
 すぐに、あ、これは例のバイロイト版かなと感じた。というのは、あの木の箱を鳴らしているかのようなホールの響きは、独特なものがあり、これは僕のような鈍感な聞き手にも他との違いがわかる響きだからである。
(ホールの響きと、僕は思っているのだけれど、もしかしたら録音のせいかもしれない。)
 通勤時にはめずらしくおしまいまで聴いてしまったが、これはやはり、第九の演奏としては一番有名なフルトベングラー指揮バイロイト祝祭管弦楽団のレコードであった。歴史的な名演奏であるとのこと。
 フルトベングラーの熱演のあまりの、最終楽章の終結部、つまり一番おしまいの部分のとんでもない速さは、早すぎて演奏が正確にできていないのではと言われているくらいだ。でも、あの速さに慣れると、他の演奏が、物足りなくなるから、おかしいけれども。
 なんでも、物知りの人によると、そこらへんをきちんと修正してあるCDもあるとか。ライブ録音のはずだけどな。
 僕も、このレコードは持っていて、家で、きちんと聴くときは、このバイロイト版を聴くことが多い。でも、普通は、CDで持っているカラヤン指揮ベルリンフィルのをiPodで聴くことが多いですね。
 で、毎年この時期になると、全国津々浦々で第九の演奏が行われていて、今年もそうなのでしょう。
 「ソリストの稼ぎ時」、「こんな現象は、日本だけ」とか面白がる向きもあるようだが、そんなこと言わなくても、素晴らしい音楽なのですから、楽しめばいいのではと思っている。
 第九は、僕の最も好きな交響曲の一つである。

忘年会の季節2007年12月11日 23時33分51秒

 今夜も飲んだし、明日も明後日も忘年会。来週も二回入っているし、体も財布も悲鳴をあげるなあ。
 酔っているから、今夜はこれだけ。

男と女2007年12月12日 23時24分35秒

男と女 
最大、最深のミステリー
琴線を鳴らす甘美な音楽
征服したい未踏峰
そう、思いませんか。
 探していた文庫本が新装発行された。「カディスの赤い星(逢坂剛)」は、面白い小説です。詳細は、後日。
 今夜もいささか酔って候。

カディスの赤い星2007年12月15日 00時02分51秒

カディスの赤い星(上)、(下)(逢坂剛 講談社文庫)
 小さなPR会社を経営する主人公が、取引先の大手楽器会社が招聘した有名なギター製作者から人探しを頼まれる。物語は、意外な方向に発展し、舞台はフランコ総統独裁時代のスペインへ。
 速いテンポの展開と、明快な文章で、ぐいぐいと引っ張っていく。
 周到に用意された伏線、海外物を読んでいるかのような活劇と意外性、謎もスリルもふんだんに盛られているし、どんでん返しも用意されているサービス満点のとても面白い本である。
 恋愛物語もちゃんとちりばめてあり、最後は読みながら涙ぐんでしまった。
 さすがに、直木賞、日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞の三冠に輝いた秀作だ。文庫本上下合わせて1000ページを超える大作だが、一気に読めること間違いない。

 買いだめしている本を少しずつ読んでいるが、買うほうが多くて、なかなか積読が減らないのです。

古処山2007年12月15日 23時35分47秒

天然記念物「ツゲの原生林」
古処山(こしょさん 860m)

 九州には、深田久弥氏の日本百名山が6山あるが、残念ながらわが福岡県には1山もない。英彦山が、深田クラブの二百名山にあがっているだけだ。
 しかし、全国的な百名山に挙げられている山が、福岡県にも2山あるのだ。
 1山は宝満山で、小林泰彦氏の「日本百低山」に。
 もう1山が、今日登った古処山である。田中澄江氏の「新・花の百名山」に挙げられている。
 福岡県のちょうど中央部分にある形のいい山で、県内ではむしろキャンプやハイキングの山として親しまれてる。
 私は、花の名前はほとんど知らないし、あまり興味はないのだが、なるほどこの山には、7月には「オオキツネノカミソリ」がたくさん咲いていることくらいは知っていたけれど。
 それよりも、この山の最大の特徴は、天然記念物の「ツゲの原生林」があることだろう。
 美しい城下町秋月のはずれにある秋月キャンプ場入り口が登山口。
 駐車場から1時間ほど登ると、「水舟」という水場に出て、そこから2~3分登れば原生林への分岐がある。分岐を右に登ればすぐに原生林入り口。これほどのツゲ原生林は、全国でも珍しいとのことである。
 ツゲのトンネルの中を10分程歩けば、縦走路に出る。右へ登れば屏山、古処山頂は、左へ15分の登りだ。
 山頂付近は、石灰岩の露岩がゴロゴロしていて、滑りやすい。山頂の社が黄金色に塗られていたのが、印象的だった。雲空の今日は、山頂では雪がちらついていた。
 「馬攻め」といわれる広場まで下って、昼食。
 下山は、八丁越え(旧秋月街道)のほうへ。古い石畳の急坂を、昔の大名の駕籠かきは大変だっただろうなとか思いながら、のんびりと気持ちよく下る。
 道端に真っ赤な野いちご(山いちご?)が、たくさんなっていて思わず口に含む。素朴に甘酸っぱくて美味しい。
 通称「だんご庵」(譚空庵が正しいらしい。)という紅葉の名所の脇を通り抜けると、登山口の駐車場はすぐそこである。