退職しました2008年04月02日 21時47分29秒

 3月末に36年間勤めた職場を退職しました。それに、退職間際に、事件を起こして、対応に追われていました。
 一応再就職は、したけれど、どうもね。長続きはしないような予感がしています。

葉桜の季節に君を想うということ2008年04月03日 23時34分30秒

葉桜の季節に君を想うということ(歌野 晶午 著)文春文庫
 ちょっと変わった書名であるが、2004年版「このミステリーがすごい」の1位になった作品なので、すぐに本屋で手にとってみた。冒頭の部分がとても面白そうだったから(どう面白いかは読んでみてください)購入しようかなと思ったが、出た当初は単行本で、ちょっと高かったから見送っていた。
 昨年5月、文庫化されたので購入したのだが、今になってやっと読んだ。
 感想、「いやーなんとも巧く騙されたなー。参った参った。」ということです。類似のトリックはあることはあるのだが、そのことに全く思いがいたらないまま終盤まで読んでしまって、うーんやられたなという面白い展開で、さすがは1位にランクされた本格ミステリーである。本格好きの方には、超お薦め。
 なお、この作品は、この年の週刊文春の「ミステリー・ベスト10」では、2位にランクされている。

宝満山・法城窟、大南窟2008年04月05日 22時23分09秒

宝満山・法城窟、大南窟
 雑誌「岳人」の連載記事に、立松和平氏が登る「百霊峰巡礼」というものがある。
 今月号(4月号)のそれが、私の地元の宝満山を取り上げていた。記事に、私のまだ行ったことのない「大南窟」のことが書いてあったので、とても興味深く、どこだろうかと行ってみたくなった。それに「竈門岩」も、普通に正面登山道を登ったのでは、見ることができないので、そのことにもふれたかった。さらには、「大南窟」にいたっては、記事の中ではまったく所在がわからないが、写真の「巨大な磐座」は、是非とも見てみたい。いったいどの辺りにあるのか。
 今日の宝満山は、この二つの目的を持って登った。
 正面登山道を、八合目まで登ると、八合目の表示がしてあるところから、道が二手に分かれている。右が普通の正面登山道で、ほとんどの登山者はこちらのほうを登る。記事にあった「竈門岩」は、左の石段を登らなくてはいけない。
 石段を登ると、正面に大岩が立ちふさがる。といってもたいした高さはなく、せいぜい2~3メートルくらいであろうか。岩の真ん中に切れ目があり、ロープが垂らしてあるので、つかまりながらよじ登るのだが、足場が微妙だし、ザックが邪魔をして登りにくい。非力な女性などは登れないのではなかろうかと心配されるが、なあに、わざわざここを登らなくても左手に巻き道があるので大丈夫だ。最初に来たときに確認はしていたが、今日は、きちんとよじ登りました。
 登りきって少し奥の方に進むと、正面に亀が立ち上がったような大岩がそびえ、右手に仙涯和尚の筆になる言われている「仙竈」との文字が刻まれた竈岩がある。
 さらに奥に下ると正面登山道に合流し、宝満山の山頂はすぐそこだ。
 山頂やキャンプ場には、大会社の新入社員研修とかで大勢が登ってきていた(会社は、九電工だそうで、200人を越える採用だそうでした。景気のいいところはいいのですね。)ので、混雑を避けてキャンプ場から女道を少し下ったところで昼食。
 昼食を終え大南窟を目指そうとしていたときに、大ベテランと思しき先達(何故かそうと見えた。)が、通り過ぎようとされたので、「大南窟」の場所を聞いたところ、やはり知っておられた。すらすらと教えていただいたうえ、このすぐ下に「法城窟」があり、こちらも是非見てくださいとのこと。この「法城窟」は、「宝満山の子宮」と言われていますよ、その上には、「宝満山のペニス」が立っているでしょう、と丁寧に解説もしていただいた。なるほど、窟の真上を見上げると、宝満山山頂の大岩がそそり立っており、いたく感動した。
 「法城窟」は、キャンプ場から女道をほんの少し下り、大石への分岐をやり過ごしたところに、右に道がある。古ぼけた標識が立っているが、わかりにくい。踏み跡をたどると、正面右に大杉が入り口を塞ぐようにもたれ掛かっている。窟の中は真っ暗でランプがないと入りにくい。ランプは常時携行しているので、取り出して中に入る。中は、岩場の登りとなっており、奥行き10mほどであろうか。きちんと立ったまま行動できる広さがある。中には首のとれた石仏などが安置されており、ちょっと不気味だ。
 女道に引き返してまた少し下るとすぐに、左手に水場があり、それを見ながら女道をさらに3m下れば、左に大谷尾根道への道が分かれる。左折して少し下れば、大谷尾根道への案内があるのでそこを右折する。また少し下れば、右にかもしか新道の案内がある。丸太を斜めに切った跡には、「かもしか新道分かれ」と書かれているので間違いなくそこを右に。
 しばらく下ると、かもしか新道とかもしか旧道の分岐に出る。右の急登が新道で、直進して下るのが旧道だ。旧道へ5分程下ったところにそれらしい踏み跡があったが、確信がもてない。「大南窟」へは新道、旧道どちらから行ったがいいのかさえもよくわからないので、もう一度さっきの新道への分岐点まで引き返し、ひとまず右へ新道のほうを登る。
 新道は、けっこう急な岩場登りで、登りきって下ってしまったところが、旧道との合流地点になる。ここまであたりを注意していたが、どうやら「大南窟」への入り口はないようだ。
 合流地点から今度はかもしか旧道を大谷尾根道へ登り返す。途中、大谷尾根とかもしか新道への分岐点があり、案内は大谷尾根だけが表示してあるが、そこを左折するとかもしか新道への分岐に行く。5分ほど登ったところに、左に、「ほっつき歩記山記録」というホームページで「大南窟」のことが写真で案内してあったとおりの岩とその前の杉が目に入った。表示など何もないが、杉と岩の間に踏み跡があり、先ほど新道旧道の分岐から下ってきて見当を付けていたところだったので、もうここしかないなと今度は確信して左へ踏み跡をたどる。
 わりと急な登りではあるが踏み跡は比較的はっきりしており、山慣れた人ならば迷うことはないだろう。10分ほどで、正面に大岩を見上げる。
 踏み跡のとおり岩の右側を登り詰めると、ありました。あの「岳人」に掲載されていた写真どおりの巨大な盤座が。まるで「インディ・ジョーンズ」の世界に出てくるような、古代の遺跡みたいな大岩が左に聳えている。やはりこれは見ておかないといけないな。なんとなく荘厳な気分になります。
 先に2~3m下った左手が「大南窟」の入り口で、大岩の下にあたるだろう。窟の広さは、「法城窟」の三分の一くらいで、奥は、真っ暗であるがランプを照らすと、岩場がせり上がっており、天井にはこうもりが数匹ぶら下がっていた。
 本日の、目的を達したので、あとは気分よくかもしか旧道を下り、鳥追峠から林道を下り、竈神社の満開の桜を楽しんで、帰路に着いた。
(10:20)竈神社有料駐車場(400円)、 
(11:30)正面登山道八合目、 (11:37)竈門岩頂上、 
(11:45)宝満山山頂、 (11:52-12:17)キャンプ場下で昼食、 
(12:23-28)法城窟、 (12:33)大谷尾根への分岐、 
(13:36)かもしか新道旧道合流地点(下)、 
(13:50)大谷尾根とかもしか新道への分岐、 
(13:55)大南窟への分岐、 (14:04-19)大南窟、 
(14:24)大南窟への分岐、 
(14:37)かもしか新道旧道合流地点(下)、 (14:41)鳥追峠、
(15:10)竈神社有料駐車場着

竈門岩の大亀岩2008年04月05日 22時24分46秒


法城窟の首なし石仏2008年04月05日 22時25分35秒


マーラー 交響曲第9番2008年04月09日 23時25分59秒

マーラー 交響曲第9番
マーラー 交響曲第9番
レオナルド・バーンスタイン指揮ベルリン・フィルハーモニー

 この4月から再就職をしたので職場がちょっとだけ遠くなってその分早く家を出るようになった。そしてその朝の通勤時にゆっくりFMラジオを聴くのが楽しみの一つになっている。
 今朝も、家を出てラジオをつけた。そのとたん、とても美しくて豊穣な音が聴こえてきた。美しいだけでなく魂に響くというか、いつの間にか音楽にどっぷりと引きずり込まれている。なんと魅力的な音楽だろう、誰の何という曲だろう、ブルックナーか、もしかしたらマーラーかと、1時間20分余、とうとう職場に着いてもラジオを放すことができなかった。
 それが今まで、何故か聴いたことがなかったマーラーの交響曲第9番だったのだ。感動してしばらく仕事が手に着かなかった。
 早速、帰りにCDを買った。放送は、ブーレーズのシカゴ響だったようであるが、買ったのは、まず定評のあるバーンスタインとベルリン・フィルの一期一会版。
 ライブ版だそうで、ところどころ咳払いなども入っているが、すごい音楽である。特に第1楽章や第4楽章がいい。第4楽章では、思わず涙が出た。
 マーラーの晩年は、死への恐怖感が強く、その反動で、生や愛や美に執着する。生きている幸福をとことん賛美したという。わかるすぎるくらい理解できる。今の私もそんな気持ちになることが多い。
 私の愛する曲がまた一つ増えた。

可也山、立石山2008年04月13日 00時43分11秒

立石山から可也山を望む
可也山(かやさん 365.1m)、立石山(たていしやま 209.6m)
 ずっと前から気になっていた可也山に登ったついでに立石山にも登ったが、立石山からの展望は抜群で、予期しなかった収穫であった。
 可也山は、糸島富士とも呼ばれる、糸島半島にある富士山に似た形のいい山で、低山ではあるが一度は登ってみたくなる山だ。近くを通るときは、必ずほれぼれとその美形を眺めたものだ。
 福岡県の北西に位置し、玄界灘に突き出た糸島半島までは、都市高速を使えば、我が家から一時間程で行くことができる。
 前原駅からバスで10分の「小富士」というバス停の近くに海に面して石の大鳥居があり、その近くに駐車スペースがある。鳥居の前をまっすぐ山に向かう道を進むと、右手に「天満宮」という神社がある。そのすぐ向こうを右に登りしばらく進むと十字路があり左折、みかん畑を通り過ぎると、梅林が、さらに右手に納骨堂のある十字路を直進して進むとやがて未舗装の山道となる。すぐに竹林の入り口が現れるが、ここまでがややわかりにくい。
 登山道は、石はほとんど見られず土ばかりで、しかもとても急な登りだ。低山と思っていたが、息が切れる。ほとんどのところに、滑り防止のためか、ロープが張られている。下りはこのロープを掴みながら、転げるようにして下山した。雨の日などは、滑って難渋する道であろう。
 山頂表示のあるところは、展望がほとんどなく、さらに500mほど先に展望所があり、そこからの玄界灘の展望は抜群である。
 さて、急登ではあったものの、時間的には往復1時間半程度で、登山としては物足りない。ついでに、知り合いから展望がとてもいいと聞いていた立石山を登って帰ることとした。
 車を芥屋のほうに走らせると15分ほどで、芥屋海水浴場のビーチに着き、海岸の駐車場に車を停める。
 海水浴場の一番奥に、休業している芥屋ビーチホテルの建物があり、その正面玄関の左横をすり抜けると、登山口がある。
 登山道は、岩場であるが、特に危険なところも難しいところもない。途中に社があり、それを過ぎるとすぐに山頂である。
 山頂には、ベンチが二つ置いてあるが、展望は木々に遮られててあまりない。昼食を済ませて、今度は南東のほうへ下る。すぐに展望が開け、左右ともに見事な景色である。正面に可也山が見えるし左手には玄界灘が広がる。大きな望遠レンズで撮影をしていた人が、隼が砂浴びをしていると教えてくれた。とても珍しいことだそうだ。
 途中の二箇所のピークからの展望は360度で、本当に見事なものである。低山のハイキングコースで登山としては物足りないが、この展望は是非とも見ておきたところである。大展望に後ろ髪を引かれながら下ると、すぐに車道に出る。左にだらだらと車道を下るのが難点ではあるが、車道歩き30分程で海水浴場の駐車場に戻る。
 気になっていた可也山と、ついでのつもりの立石山の望外の素晴らしさに、大満足の糸島半島山歩きであった。
(10:02)小富士バス停大鳥居、 (10:52)可也山山頂、 
(10:55)展望所、 (11:01)下山、 (11:33)小富士バス停横大鳥居、車で芥屋海水浴場へ
(12:08)立石山登山口、 (12:30)立石山山頂、昼食、 
(13:01)下山、南東方向へ、 (13:42)登山口駐車場所

ウミガメ姿の芥屋の大門2008年04月13日 00時44分40秒


立石山と姫島2008年04月13日 00時45分25秒


山の危険動物2008年04月14日 21時04分24秒

わかるかな 山の危険動物
 一昨日の可也山から下山途中に、私の大嫌いな蛇に出会った。今年の蛇遭遇第一号である。危険なマムシではなかったけれど、肝を冷やした。もっと夏場になったらある程度警戒しているのだが、今の季節ならまだ出ていないだろうと予測していなかったから、なおさらである。
 そこでずっと前に友人に出したメールを思い出したから、ここに書き出す。「山の危険動物」という題名のメールでした。

 山に登る楽しみの一つに、自然のままの動植物を観ることができることがあります。植物は、特に花の季節には、美しく可憐な花々は、大きな喜びを与えてくれます。
 が、今日は動物のことについて。北海道や本州の山にはクマがいて、危険ですね。でも九州の山にはそれほど危険な動物はいません。せいぜい、猪くらいですか。僕も二度ほど猪と遭遇しています。
 でも猪と出会ってもめったなことで命を落とすことはありませんから、九州の山は、まあ、安心して歩けます。鹿、狸、狐、いたち、山鳩、雉等がいます。
 雉や山鳩などは、足元から急にバタバタと飛び立って臆病な僕をビックリさせることがありますが、危険はない。
 いや、そうだ。いたいた!危険な奴が。
 マムシです。九州の山にはやたらとマムシが多い。ちょっとじめじめしたところには、たいてい「マムシに注意」の表示がしてあります。今日も下山途中に、足元をしゅるしゅると動くものがいます。あーっつ、やばい!冬眠前のマムシは特に危ない、と思って慌てて後ずさり。目を凝らしてよくみると、良かった、マムシではなくただのシマヘビでした。
 でも、僕は、ヘビが苦手中の苦手なのです。なんとかヘビのほうから逃げてくれたので、そのまま下山道を下るのですが、それ以後は、足元をさらに注意深く見ながらの下山になりました。
 ちょっとでも動くものがいると、足を止めます。トカゲが何匹もちょろちょろしては驚かせます。それでも、まあ足元をみながら、調子よくずんずんと下山していたのです。が、思わぬ伏兵が。
 下を見つめている我が顔に、急にべとっとして黒い塊がガサゴソ。ギャー!思わず声をあげる。
 道の真中に巣を張っていた大きな蜘蛛が、鼻の横から頭に逃げる。仰天して帽子で振り払う。僕は蜘蛛も大嫌いなのです。
 人のあまり通らないコースの時には、蜘蛛の巣にも注意しなければなりません。蜘蛛の巣が、顔にべたっとくっつくのはあまり気持のいいものではありません。これだから低山歩きは嫌なのですが、九州の山では仕方の無いことですね。
 夏の終わりの変な山行でした。では、また。