宝満山・法城窟、大南窟2008年04月05日 22時23分09秒

宝満山・法城窟、大南窟
 雑誌「岳人」の連載記事に、立松和平氏が登る「百霊峰巡礼」というものがある。
 今月号(4月号)のそれが、私の地元の宝満山を取り上げていた。記事に、私のまだ行ったことのない「大南窟」のことが書いてあったので、とても興味深く、どこだろうかと行ってみたくなった。それに「竈門岩」も、普通に正面登山道を登ったのでは、見ることができないので、そのことにもふれたかった。さらには、「大南窟」にいたっては、記事の中ではまったく所在がわからないが、写真の「巨大な磐座」は、是非とも見てみたい。いったいどの辺りにあるのか。
 今日の宝満山は、この二つの目的を持って登った。
 正面登山道を、八合目まで登ると、八合目の表示がしてあるところから、道が二手に分かれている。右が普通の正面登山道で、ほとんどの登山者はこちらのほうを登る。記事にあった「竈門岩」は、左の石段を登らなくてはいけない。
 石段を登ると、正面に大岩が立ちふさがる。といってもたいした高さはなく、せいぜい2~3メートルくらいであろうか。岩の真ん中に切れ目があり、ロープが垂らしてあるので、つかまりながらよじ登るのだが、足場が微妙だし、ザックが邪魔をして登りにくい。非力な女性などは登れないのではなかろうかと心配されるが、なあに、わざわざここを登らなくても左手に巻き道があるので大丈夫だ。最初に来たときに確認はしていたが、今日は、きちんとよじ登りました。
 登りきって少し奥の方に進むと、正面に亀が立ち上がったような大岩がそびえ、右手に仙涯和尚の筆になる言われている「仙竈」との文字が刻まれた竈岩がある。
 さらに奥に下ると正面登山道に合流し、宝満山の山頂はすぐそこだ。
 山頂やキャンプ場には、大会社の新入社員研修とかで大勢が登ってきていた(会社は、九電工だそうで、200人を越える採用だそうでした。景気のいいところはいいのですね。)ので、混雑を避けてキャンプ場から女道を少し下ったところで昼食。
 昼食を終え大南窟を目指そうとしていたときに、大ベテランと思しき先達(何故かそうと見えた。)が、通り過ぎようとされたので、「大南窟」の場所を聞いたところ、やはり知っておられた。すらすらと教えていただいたうえ、このすぐ下に「法城窟」があり、こちらも是非見てくださいとのこと。この「法城窟」は、「宝満山の子宮」と言われていますよ、その上には、「宝満山のペニス」が立っているでしょう、と丁寧に解説もしていただいた。なるほど、窟の真上を見上げると、宝満山山頂の大岩がそそり立っており、いたく感動した。
 「法城窟」は、キャンプ場から女道をほんの少し下り、大石への分岐をやり過ごしたところに、右に道がある。古ぼけた標識が立っているが、わかりにくい。踏み跡をたどると、正面右に大杉が入り口を塞ぐようにもたれ掛かっている。窟の中は真っ暗でランプがないと入りにくい。ランプは常時携行しているので、取り出して中に入る。中は、岩場の登りとなっており、奥行き10mほどであろうか。きちんと立ったまま行動できる広さがある。中には首のとれた石仏などが安置されており、ちょっと不気味だ。
 女道に引き返してまた少し下るとすぐに、左手に水場があり、それを見ながら女道をさらに3m下れば、左に大谷尾根道への道が分かれる。左折して少し下れば、大谷尾根道への案内があるのでそこを右折する。また少し下れば、右にかもしか新道の案内がある。丸太を斜めに切った跡には、「かもしか新道分かれ」と書かれているので間違いなくそこを右に。
 しばらく下ると、かもしか新道とかもしか旧道の分岐に出る。右の急登が新道で、直進して下るのが旧道だ。旧道へ5分程下ったところにそれらしい踏み跡があったが、確信がもてない。「大南窟」へは新道、旧道どちらから行ったがいいのかさえもよくわからないので、もう一度さっきの新道への分岐点まで引き返し、ひとまず右へ新道のほうを登る。
 新道は、けっこう急な岩場登りで、登りきって下ってしまったところが、旧道との合流地点になる。ここまであたりを注意していたが、どうやら「大南窟」への入り口はないようだ。
 合流地点から今度はかもしか旧道を大谷尾根道へ登り返す。途中、大谷尾根とかもしか新道への分岐点があり、案内は大谷尾根だけが表示してあるが、そこを左折するとかもしか新道への分岐に行く。5分ほど登ったところに、左に、「ほっつき歩記山記録」というホームページで「大南窟」のことが写真で案内してあったとおりの岩とその前の杉が目に入った。表示など何もないが、杉と岩の間に踏み跡があり、先ほど新道旧道の分岐から下ってきて見当を付けていたところだったので、もうここしかないなと今度は確信して左へ踏み跡をたどる。
 わりと急な登りではあるが踏み跡は比較的はっきりしており、山慣れた人ならば迷うことはないだろう。10分ほどで、正面に大岩を見上げる。
 踏み跡のとおり岩の右側を登り詰めると、ありました。あの「岳人」に掲載されていた写真どおりの巨大な盤座が。まるで「インディ・ジョーンズ」の世界に出てくるような、古代の遺跡みたいな大岩が左に聳えている。やはりこれは見ておかないといけないな。なんとなく荘厳な気分になります。
 先に2~3m下った左手が「大南窟」の入り口で、大岩の下にあたるだろう。窟の広さは、「法城窟」の三分の一くらいで、奥は、真っ暗であるがランプを照らすと、岩場がせり上がっており、天井にはこうもりが数匹ぶら下がっていた。
 本日の、目的を達したので、あとは気分よくかもしか旧道を下り、鳥追峠から林道を下り、竈神社の満開の桜を楽しんで、帰路に着いた。
(10:20)竈神社有料駐車場(400円)、 
(11:30)正面登山道八合目、 (11:37)竈門岩頂上、 
(11:45)宝満山山頂、 (11:52-12:17)キャンプ場下で昼食、 
(12:23-28)法城窟、 (12:33)大谷尾根への分岐、 
(13:36)かもしか新道旧道合流地点(下)、 
(13:50)大谷尾根とかもしか新道への分岐、 
(13:55)大南窟への分岐、 (14:04-19)大南窟、 
(14:24)大南窟への分岐、 
(14:37)かもしか新道旧道合流地点(下)、 (14:41)鳥追峠、
(15:10)竈神社有料駐車場着

コメント

_ ふむむ ― 2009年03月19日 23時01分04秒

はじめまして!
本日大南窟へ行ってまいりました^^
迷い迷い、なんとか到達できました
やまなみはるかさんのブログの内容が
大変、参考になりました!
ありがとうございました!

しかし、大南窟へ至る
道標やテープがあそこまで何も無いのは
何か意図的なものさえ感じますね
7窟の中で一番神聖な場所とも聞きました・・

いきなりのコメントで失礼しましたm(__)m

_ (未記入) ― 2009年03月22日 09時18分51秒

コメントありがとうございます
案内表示がないのはやはり神秘的なままにしていたいという地元の人の意向があるのかもしれませんね

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