登り初め2011年01月02日 18時55分14秒

難所ヶ滝2011.1.2
あけましておめでとうございます。
 昨年は、12月になって心身とも不調になって、おまけにインフルエンザにもかかってしまったりで、さんざんでした。たいしたことはなかったのですが、心のほうがだめだったですね。暇なときはほとんど何もせず寝ていました。年末に第九をたくさん聴いてから徐々に心身ともに元に戻ってきました。
 年末の第九については、近いうちに書くとして、今日は登り初めのこと。
 天気予報に反して、朝起きたらいい天気。うむと思っていたら、職場の山仲間から御誘いの電話。昼近くからだったが、裏山に出かけた。
 この季節になると、氷瀑となる難所ヶ滝の様子を観て、宝満山に登り、今年の干支「うさぎ」道を下るというコースです。
 登山口の「昭和の森」の駐車場は、たくさんの車が停まっていたが、ここまでは雪もほとんどなかった。
 登り始めると、やはりだんだんと雪が多くなりアイゼンを着ける。気温が上がっているのか、木々に積もっていた雪が溶けてきて雨みたいに降りかかる。ずぶぬれになってしまう。雪がだんだん深くなり、病み上がりの体には堪えるほどだ。
 難所ヶ滝は、期待通りに綺麗に凍っていた。さすがにたくさんの人が見物に登ってきている。
 このころから天気が悪くなり、雪が降り始める。寒い。背中は大汗をかいているのだが、それでもなんだか寒い。
 滝の右横から縦走路まで、深い雪の中を喘ぎながら登る。気温のせいか、雪が緩くて歩きにくい。
 宝満山の山頂も、さすがに人が少ない。青年3人が裸になり年頭の誓いを立てていた。大学が同窓なのか、現在の職場はそれぞれ違うとのことだった。好感のもてる青年たちで、新年にふさわしくいい気分になった。
 下山は、今年の干支にちなんで「うさぎ道」を下る。雪がゆるくて大変疲れたが、気持ちのいい登り初めであった。
(11:50)昭和の森駐車場発、 (13:10)難所ヶ滝、
(14:00)宝満山山頂、昼食、 (14:30)下山、うさぎ道、
(15:48)昭和の森駐車場に戻る。

年末の第九2011年01月03日 20時26分46秒

ヘルムート・リリング指揮の第九
 昨年末は、ベートーヴェンの第9交響曲をよく聴いた。というか、聴かされた。家人が第九のソリストで歌うからだが、やはり名曲だから、何回聞いても楽しい。
 なかでも、友人から借りて聴いた、数年前に上岡敏之さんがN響を指揮したものは、やや早めのテンポでなかなか楽しかった。指揮者が音楽を心から楽しみながら指揮しているような感じで、とてもよかった。
 ところがである。大晦日の恒例のN響の第九は、僕はちっとも楽しめなかった。指揮をしたヘルムート・リリングさんは大変実績があり人気のある指揮者ということだが、テンポのとりかたが楽しくなかった。まとまりがなく、特に終盤は間延びしてしまりが無いように聞こえた。遅すぎたのである。
 ソリストもバリトンの出だしがなんとなく違和感があって、ムムムだった。
 N響も、どうゆう事情なのか、コンマスとかいつもの顔が見えなくて、なんだろうなとか思ったし、全体としてちっとも楽しくなかった。
 勿論、そのあとに、フルトベングラーの第九を聴いてから寝ましたが。これは、やはり名演ですね。

2010年のベストミステリー2011年01月04日 22時58分16秒

2010年のベストミステリー
 ミステリーファンとしては、もっと時間とお金があれば、もっとたくさんのミステリーを自分で読んで探し出すのだが、残念ながらそれは望めないので、今年もまた例よってガイド本頼りとなる。
 昨年のベストミステリーは、「週刊文春ミステリーベスト10」、「このミステリーがすごい!(宝島社)」及び「ミステリが読みたい!(早川書房)」の三誌に共通して上位にランクされた次の作品と勝手に決めました。
国内物
 ・悪の教典(貴志祐介)文芸春秋
 ・叫びと祈り(梓崎優)東京創元社
 ・隻眼の少女(麻耶雄嵩)文芸春秋
 ・シューマンの指(奥泉光)講談社
海外物
 ・ラスト・チャイルド(ジョン・ハート)ハヤカワ・ミステリ文庫
 ・愛おしい骨(キャロル・オコンネル)創元推理文庫
 ・音もなく少女は(B・テラン)文春文庫
 
 以上7作品です。そのうち「シューマンの指」は、先に読んでいたので、あとの6作品を読んでいきたい。一応買うのだけは、全部買いました。
 あと、国内物で「写楽閉じた国の幻(島田荘司)」については、食わず嫌いで没としました。

映画「相棒 劇場版Ⅱ」2011年01月05日 23時46分28秒

相棒 劇場版Ⅱ
 大好きなテレビドラマシリーズ「相棒」の映画「劇場版Ⅱ」を観た。
 テレビのシリーズは、コンビのキャラクターが好きで、楽しく観ています。以前に公開された劇場版の1作目は、悪くはなかったのですが、まあわざわざ映画という大きなスクリーンにしなくてもテレビで十分だという感じだった。ところが、今回のこの2作目のほうは、なかなかのいい出来で、映画館まで観に行った価値がありました。緊迫感があり、水谷さんの演技が大画面に映えていたと思います。
 それに比べると、元旦に放送されたテレビシリーズの相棒は、できが悪かった。二時間近く観るに堪えないくらいだった。
 しかし、このできのいい「劇場版Ⅱ」には、残念なことが一つある。シリーズを通じてドラマの中で大きな存在意義のあった、ある人物が死んでしまうことです。今後の展開が物足りなくならなければいいけど。

雪の九重山で遊ぶ2011年01月08日 22時28分32秒

 今年になって寒波が数回来たので、九重山も相当積もっているだろう。天気がずっと悪かったのが、この土曜日は晴天との予報で、絶好の雪山遊山だろうということで久住山に出かけた。
 牧の戸峠までは、九州横断道路、四季彩ロード、やまなみハイウェーのコースをとったが、四季彩ロードに入るとすぐに相当の積雪があり、チェーンを巻いていない車が立ち往生している。牧の戸峠の駐車場にもかなりの積雪があり、駐車場の中で、車が動かなくなっているものもあるくらいで、停めることができなくて、道路わきに駐車した。
 牧の戸峠の登山口からはアイゼンをつけて登る。30センチ以上の積雪があるようだ。さすがに登山者は多い。
牧の戸峠登山口

 いつもは、積雪があっても昼過ぎに帰る頃には溶けて火山灰の道がドロドロと汚くなるのだが、今日はこの分では雪は全く溶けないであろう。気持ちよく歩ける。
 ごろ石の多い縦走路も今日は雪でサクサクと歩きいやすい。
久住山への縦走路

 天気予報通り、全くの快晴で、文字通り紺碧の空に銀世界がまぶしい、素晴らしい山歩きだ。風もあまりなく、縦走路では、例によって半袖になった。
西千里ヶ浜から久住山と星生崎
 
久住山、中岳分岐のエビのしっぽ
 
 久住山(1786.9m)頂も穏やかで、気持ちがいい。空腹を覚えたが、御池まで下って昼食とする。
久住山山頂

 御池は完全に氷結しており、真中まで走っても大丈夫。御池付近は、風が強かったので、近くの避難小屋の中で昼食をとる。
完全氷結した御池

 昼食後は九重山塊の最高峰中岳(1791m)に登り、
中岳山頂

天狗ヶ城(1780m)経由で久住別れに戻り、星生崎の右端を登り、星生山を目指す。
星生崎を登る

 この登りが、登る人が少なくて雪がまだ踏み固められておらず、一足ごとにズボズボとぬかる。短い登りだが、大変疲れた。
雪深い星生崎の登り

 星生山(1762m)山頂までの縦走路は雪も多い上に風が強く、岩場が多いので大変緊張したし、体力を使った。それでも大変美しい雪景色に満足した。
もうすぐ星生山山頂

星生山山頂
 
 西千里ヶ浜に下り、沓掛山への縦走路を下り、牧の戸峠に帰りついた。
 下山中の登山者の誰もが、満足そうな表情だった。
 疲れたが、天気に恵まれ、最高の雪山だった。 

(9:08)牧の戸登山口発、 (11:20-30)久住山山頂、
(12:00-34)御池避難小屋、昼食、 (12:47)中岳山頂、
(13:01)天狗ヶ城、 (13:20-30)久住別れ、小休止
(14:14)星生山、 (15:19)牧の戸峠登山口に戻る。



悪の教典2011年01月09日 22時05分12秒

悪の教典
悪の教典(貴志祐介)文芸春秋
 昨年の国内物ベストミステリーは、ガイドブックでは文句なしに「悪の教典」だろう。
 「週刊文春のミステリーベスト10」と「このミステリーがすごい!」とで第1位、「ミステリが読みたい!」で第2位にランクされている人気である。
 主人公は、サイコパス(性格異常?)の高校教師であるが、イケメンで上手に仮面をかぶっているので生徒間の信頼、人気が高い。
 その人気教師「ハスミン」が、とんでもない犯罪を次から次に犯す。その凄まじさと迷いのない実行力に、何故かいつの間にか快哉感すら覚え始めるのだが、読後感は、どこかあまりよくない。
 プロットやストーリー展開に荒さは目立つし、「そんなー」とか思うところも多々あるが、確かに読むには面白い小説だ。この本の終わり方からすると、もしかしたら続編が書かれるかもしれないなとも思ったが、どうだろうか。
 上下巻合わせて850ページ近く、厚さにして7.5cmもあるのだが、二日で読んでしまったくらいに面白い。
 が、しかしである。こんな小説が、ミステリーのナンバーワンとしてもてはやされていいのか。
 もともとホームズ系の本格ミステリーファンとしては、穏やかではない。クライムミステリーであっても、ルパンなどのようにどこか「ヤッタネ!」と痛快な気分にさせるような小説がいい。
 「悪の教典」を読んだ後には、そんな正統派のミステリーを読みたくなってしまった。

ショパン「ポロネーズ」2011年01月12日 20時50分36秒

ポリーニ「ショパン ポロネーズ集」
ショパン「ポロネーズ集」
マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)
 ステレオを置いている部屋は、板張りでとても寒い。長時間聴く時ならば暖房を入れるのだが、なかなか時間がないので、ステレオの前に座れない。
 そこで、今年になってまだきちんとステレオで音楽を聴かなかったのだが、やはり欲求不満になって、今夜は寒いのを我慢して一時間だけ聴いた。
 何か、新春にふさわしいものを聴こうということだ。だけども、何故かウィンナーワルツみたいなのは、好みではない。
 さっと聴いて、ヨシ!と感じるもの。ショパンの「ポロネーズ集」を聴いた。
 「ポロネーズ」とは、「ワルツ」とかと同じような、音楽の形式の一つかなとずっと思っていたのだが、これは単に「ポーランド風の」と言う意味らしく舞踏音楽の一つの形式という。恥ずかしいけど、つい最近知りました。
 ショパンの「ポロネーズ」は、彼の情熱と男性的な表情がよく出ていて、聴いていると躍動的な気持にさせられる。
 CDは、ルービンシュタインのが特に有名だけど、僕の持っているのは、このポリーニのもの。力強く歯切れのいい演奏は、聴いていて気持ちがいい。
 特に、僕は、「英雄ポロネーズ」が大好きである。これは、ショパンが祖国ポーランドの栄光をたたえたもので、彼の愛国心の表れだとも言う。
 国の内外が騒がしい昨今、私も祖国のためもう一度お役に立ちたいものだと、殊勝な気持になりました。

歌に生き、恋に生き2011年01月18日 00時01分14秒

プッチーニ オペラ「トスカ」から「歌に生き、恋に生き」
 年末の風邪がぶり返しそうになって、土日はおとなしく自重していた。
 で、録画していた年始のNHKニューイヤーオペラコンサートを観たのだが、その中で、プッチーニのオペラ「トスカ」の中の有名なアリア「歌に生き、恋に生き」を松田奈緒美さんがとてもよく歌っていて、思わずぐっときてしまった。
松田奈緒美

 なかなかの名唱だったと思います。この人の他の歌も聴きたくなりました。

 オペラ「トスカ」は、僕が何回も観た数少ないオペラで、特に「歌に生き、恋に生き」は、僕の大好きなアリアの一つです。
 この松田さんの歌唱に刺激を受けて、これも大好きな歌手ミレッラ・フレーニがこの曲をどんなふうに歌っていたのか聴いてみた(トスカハイライト、シノーポリ指揮)。
フレーニのトスカ

 これはとても柔らかく艶があって女性らしいいい歌であった。
 
 ついでに、このオペラ「トスカ」のベスト盤と言われている、デ・サバータ指揮のマリア・カラスのを聴いてみた(抜粋「マリア・カラスの芸術への招待」)。
マリア・カラスの芸術への招待

 これがまた凄かった。この激情的なトスカは素晴らしい。カラスは、僕の好きな歌手ではないのだが、この歌ばかりには脱帽である。
 おそらく、この歌唱を超えるものは、今後も出ないだろうとさえ思われるものだ。
 カラスをすっかり見直してしまった。
 



第九イン飯塚2011年01月23日 23時43分44秒

 家人が出ている関係で、筑豊飯塚まで第九を聴きに行きました。
 もともとピアニストの楠本隆一氏の指揮する「飯塚第九交響楽団」の演奏です。
 この「飯塚第九交響楽団」というのは、飯塚で第九をやるためにだけに今年になって編成されたオーケストラで、北九州交響楽団が主要メンバーとのこと。急ごしらえのオーケストラです。 
 が、なかなかいい演奏でした。3楽章までたっぷり歌わせ、最終楽章は歯切れよく、元気よく歓喜の声を響かせていました。
 ソリストも粒ぞろいで、地元の飯塚新人音楽コンクールの入賞者を中心に、とてもよく歌われていたと思います。特に、テノール、バリトンは素晴らしいものでした。
 合唱も年輩の方が多かったように感じましたが、とても元気が良くて好感が持てました。
 新春の第九鑑賞もいいものでした。
 さあ、これで、ソロコンサート、第九と続いた家人のピリピリ感も少しはおさまり、僕も雑用から解放され、また自由に山登りができるのかなと、期待しています。

ラスト・チャイルド2011年01月27日 23時38分48秒

ラスト・チャイルド
ラスト・チャイルド(上、下)
(ジョン・ハート著 東野さやか訳)ハヤカワ文庫
 昨年の海外物ベストミステリーは、この「ラスト・チャイルド」だろう。週刊文春の「ミステリーベスト10」と「ミステリが読みたい」で第1位、「このミステリーがすごい」で5位にランクされている。
 「このミス」の5位というのが気になったところだが、読んでみたらまあそんなものかと納得した。
 13歳の少年の双子の妹が、行方不明になった。どうやら誘拐されたようだ。そのことで始まる家族の崩壊と悲しみ。少年は執拗に妹の捜索を続ける。そしてそれを見守る刑事。物語は、ときおり急激に方向を変えながら意外な結末へ。
 よくできたミステリーで、特に下巻は一気に読める。1位に選ばれたのも解るような面白いものだ。
 だが、ちょっとだけ苦情を言うと、僕はミステリーに文学性を要求しない。むしろエンターテイメント小説として、読んで楽しいものでなくてはならないと思っている。
 このミステリーを読んで思ったのはそういうことだ。