ウミが見える2007年11月25日 21時15分20秒

 昨日の宝満山で思い出した話がひとつ。
 宝満山山頂からの展望はなかなかのもので、福岡ドーム等福岡市街から博多湾、能古島などが眼下に広がります。
 で、いつだったか友人から聞いた話です。
 山仲間の友人が、宝満山に登り、山頂で昼食をしていたら、20代の若者が3人登ってきた。山頂に着くなり、こんな会話を始めた。
「おーウミが見える」
「そういえば、ウミに入っていた者は、みな宝満山を懐かしがるもんね。」
「ウミからも宝満山が見えるけんね。ところで、おたくは今、何人ウミに入ってるね?」
「うん本家とあわせると5人ほど入ってこまっとる。」
 そこに中年の男が汗をたらしながら登ってきた。三人お辞儀をしながら、
「おやっさん、おつかれさんです!」
 中年の男は、シャツを脱ぎながら、汗を拭き始めた。
 友人は、今までに会話を不思議に思っていたが、これで疑問が吹っ飛び
冷や汗がでた。
 中年の背中全体に、きれいな刺青。
 なんと、その筋の人の集団登山でした。
 「ウミ」は「宇美の刑務所」のことらしい。宇美町は宝満山の直下、北北西にある町です。
 その後の会話では、なんでもおやじさんは、百名山制覇を目指しているとか。
 うむー!新しい形の全国制覇か。対抗して、警察も頂上作戦が必要か。
 いやー、ほんとの話らしいですよ。

モーツァルト交響曲第40番ト短調K.5502007年11月25日 22時32分55秒

モーツァルト交響曲第40番ト短調K.550(ブルーノ・ワルター指揮 コロンビア交響楽団)
 ずっと若いときの話。失恋して街をさまよっていた私の耳に流れてきた甘美なメロディ。傷ついて、滅入ってしまった私の心に同調し、涙を流しているかのように。私は、思わず足を止めて聴き入ってしまった。冒頭の有名なメロディです。そのときは、この曲の名前を知りませんでした。クラシックはほとんど聴いたことがなかったからです。でも、このメロディは、それ以来ずっと私の心の中に流れています。
 社会人になって、少しばかり経済的な余裕ができ、クラシック音楽を聴くようになったのは、この曲が流れていたからだと思います。
 ワルターのゆったりとした哀愁に満ちた演奏は、他のレコードでは味わえません。コンサートでの演奏や他のレコードもいくつか聴いたけど、やはりこのレコードが一番好きです。特に第三楽章メヌエットの雄大で威厳のある悲しみは、聴くたびに涙が出そうになります。今夜も今、ちょっと、うるうる。
 私が、最も大切にしている曲とレコードです。