モーツァルトピアノ協奏曲第23番 ― 2008年02月03日 00時25分05秒
モーツァルトピアノ協奏曲第23番イ長調、K488
アシュケナージ(ピアノ、指揮)フィルハーモニア管弦楽団
脳科学者の茂木健一郎さんが、著書「すべては音楽から生まれる」(PHP新書)の中で、モーツァルトのピアノ協奏曲第21番の第二楽章を取り上げ「第二楽章のアンダンテなどは、どんな人の心も打つ力を備えているでしょう。とても人間的でヒューマニティ溢れる、奇跡のような作品です。」と紹介されていた。確かに今夜改めて聴いてみたが、やはり上品でとても美しく優しいメロディである。
でも、私にはもっと好きな第二楽章がある。それがこの23番だ。
求めていた何かをすっかり諦めた男が、がっくりと肩を落とし、静かにゆっくりと向こうに歩いて去っている。背中には救いようのない哀愁が漂っている。 そんな情景が目に浮かんできて、必ずといっていいくらい涙が出てくるのだ。いつか通勤電車の中でiPodで聴いていたときも涙が出てきて困った。
今夜はどうかな、と意識して聴いたが、やはりだめだった。第二楽章の後半、いつもの箇所でぐっと来て涙ぐんだ。
モーツァルトは、やはり哀しいんですね。
レコードは、ブレンデルのも持っているが、23番はやはりこのアシュケナージのが、情感たっぷりでより泣けるようだ。
アシュケナージ(ピアノ、指揮)フィルハーモニア管弦楽団
脳科学者の茂木健一郎さんが、著書「すべては音楽から生まれる」(PHP新書)の中で、モーツァルトのピアノ協奏曲第21番の第二楽章を取り上げ「第二楽章のアンダンテなどは、どんな人の心も打つ力を備えているでしょう。とても人間的でヒューマニティ溢れる、奇跡のような作品です。」と紹介されていた。確かに今夜改めて聴いてみたが、やはり上品でとても美しく優しいメロディである。
でも、私にはもっと好きな第二楽章がある。それがこの23番だ。
求めていた何かをすっかり諦めた男が、がっくりと肩を落とし、静かにゆっくりと向こうに歩いて去っている。背中には救いようのない哀愁が漂っている。 そんな情景が目に浮かんできて、必ずといっていいくらい涙が出てくるのだ。いつか通勤電車の中でiPodで聴いていたときも涙が出てきて困った。
今夜はどうかな、と意識して聴いたが、やはりだめだった。第二楽章の後半、いつもの箇所でぐっと来て涙ぐんだ。
モーツァルトは、やはり哀しいんですね。
レコードは、ブレンデルのも持っているが、23番はやはりこのアシュケナージのが、情感たっぷりでより泣けるようだ。
アメリカンギャングスター ― 2008年02月04日 22時02分54秒
映画「アメリカンギャングスター」を観た。
デンゼル・ワシントン扮するギャングが、頭脳と度胸と決断力で、マフィアも一目置くニューヨークの麻薬王にのし上がっていく。
かたやラッセル・クロウ扮する麻薬捜査官が、強い意志と決して買収されない強い正義感で、彼を徐々に追い詰める。なかなか見ごたえのある映画で、大変面白かった。
惜しむらくは、ワシントンの内面描写が淡々としていることと、最後の結末部分があっけないと感じられたことかな。
とは言ってもまあ、近頃の映画ではできのいいほうではないかと思う。観て損はない。
デンゼル・ワシントン扮するギャングが、頭脳と度胸と決断力で、マフィアも一目置くニューヨークの麻薬王にのし上がっていく。
かたやラッセル・クロウ扮する麻薬捜査官が、強い意志と決して買収されない強い正義感で、彼を徐々に追い詰める。なかなか見ごたえのある映画で、大変面白かった。
惜しむらくは、ワシントンの内面描写が淡々としていることと、最後の結末部分があっけないと感じられたことかな。
とは言ってもまあ、近頃の映画ではできのいいほうではないかと思う。観て損はない。
駄洒落その2 ― 2008年02月05日 22時03分08秒
これもずっと若い頃の話。私も英会話の勉強に励んでいたことがある。通勤途上にカセットウォークマンでヒアリングの訓練をしていた。前回も登場したあの後輩が、これを見て
「先輩!何聴いているんですか?」
私、「英会話だよ、語学だよ。」
後輩曰く、「先輩が語学するわけないでしょー、
きっとそれは娯楽でしょうが。」
はい確かにその日に限っては竹内まりや聴いていました。
み、見抜くなってーの!
この後輩、その後私の上司になっています。同じ部門でなくてよかったけれど。
「先輩!何聴いているんですか?」
私、「英会話だよ、語学だよ。」
後輩曰く、「先輩が語学するわけないでしょー、
きっとそれは娯楽でしょうが。」
はい確かにその日に限っては竹内まりや聴いていました。
み、見抜くなってーの!
この後輩、その後私の上司になっています。同じ部門でなくてよかったけれど。
女彫刻家 ― 2008年02月09日 21時30分21秒
女彫刻家(ミネット・ウォルターズ著 成川裕子訳)創元推理文庫
この小説は、アメリカ探偵作家クラブ最優秀長編賞受賞作品であり、1995年度の「このミステリーがすごい」と週刊文春「傑作ミステリー・ベスト10」との両方の第一位にランクされたミステリーである。 やっと今になって読んだ。
母と妹を惨殺した猟奇事件を本にしようと、作家である女主人公が犯人に会いに刑務所に出かける。恐る恐るの面会の中から、腑に落ちない何かを感じた彼女は、一つずつ自らの足で調査をはじめる。
事件と謎と、そしてそれを丹念に解きほぐしていく主人公。これぞミステリーという感じで、前半はぐいぐいとすすむ。犯人と主人公との面会のシーンもスリリングだ。
後半は、やや複雑になって判りにくい部分もでてくるが、解決にいたる物語の展開は見事である。女性作家らしい恋愛物語もあるし、ユーモアーやハードボイルド的なものまで盛られており、サービス満点。
エピローグについては、評価の分かれるところだと思うが、私は好きではない。せっかく一つずつ謎を解明してきた物語があいまいになってしまう。ミステリーの謎解きですかっとしたいのに、いやーな気分になるからだ。
なお、1995年は、「テロリストのパラソル(藤原伊織)」、「ホワイトアウト(真保裕一)」、「さらば長き眠り(原りょう)」、「パラサイト・イブ(瀬名秀明)」、「龍の契り(服部真澄)」など国内物に秀作がそろっている。
この小説は、アメリカ探偵作家クラブ最優秀長編賞受賞作品であり、1995年度の「このミステリーがすごい」と週刊文春「傑作ミステリー・ベスト10」との両方の第一位にランクされたミステリーである。 やっと今になって読んだ。
母と妹を惨殺した猟奇事件を本にしようと、作家である女主人公が犯人に会いに刑務所に出かける。恐る恐るの面会の中から、腑に落ちない何かを感じた彼女は、一つずつ自らの足で調査をはじめる。
事件と謎と、そしてそれを丹念に解きほぐしていく主人公。これぞミステリーという感じで、前半はぐいぐいとすすむ。犯人と主人公との面会のシーンもスリリングだ。
後半は、やや複雑になって判りにくい部分もでてくるが、解決にいたる物語の展開は見事である。女性作家らしい恋愛物語もあるし、ユーモアーやハードボイルド的なものまで盛られており、サービス満点。
エピローグについては、評価の分かれるところだと思うが、私は好きではない。せっかく一つずつ謎を解明してきた物語があいまいになってしまう。ミステリーの謎解きですかっとしたいのに、いやーな気分になるからだ。
なお、1995年は、「テロリストのパラソル(藤原伊織)」、「ホワイトアウト(真保裕一)」、「さらば長き眠り(原りょう)」、「パラサイト・イブ(瀬名秀明)」、「龍の契り(服部真澄)」など国内物に秀作がそろっている。
アメリカンギャングスター追記 ― 2008年02月09日 22時38分45秒
この映画は、タイトルバック終了後におまけのワンショットがあるとのことだ。見逃した。また、モデルになった人物は、まだ生存していて、映画にもいろいろと助言をしたという。
ベートーヴェン交響曲第6番「田園」 ― 2008年02月10日 22時28分29秒
ベートーヴェン交響曲第6番ヘ長調作品68「田園」
カラヤン指揮ベルリンフィルハーモニー交響楽団(1962年2月録音)
たぶん10年以上はこの曲を聴いていないと思う。たまたま、後輩の駄洒落のことを書いていて、先輩のことを思い出したので、聴いてみようと思い立った。
「田園」のレコードは、ワルター指揮コロンビア交響楽団の演奏が有名であるが、私のはカラヤンとベルリンフィル。
「田園」は、私が中学生の頃の音楽の授業では、ベートーヴェンの交響曲の中でも第5番「運命」と同じくらい有名な曲であった。
しかし、私たちの子供頃は、社会全体がまだまだ貧乏な時代で、学校にレコードなど備えがなく、視聴覚教育環境はろくなものではなかった。勿論、5番はおろかクラシックのレコードなど聴いたことがなかった。有名な運命の動機も教師の口によって「ダダダダーン」ってこんな感じだよと教わった記憶がある。
だから「田園」についても、ベートーヴェンにしては珍しく標題音楽でとかなんとか高校受験のための知識として教わった程度で、実際はどんな音楽か聴いたことがなかった。
じっくり聴いたのは、社会人になって随分たってからで、ふむふむ、なるほどこれが田園の描写で、ここからが嵐かなどと感心しながら聴いた程度で、あまり心に感じるものではなかった。そのせいか、その後もめったにこの曲を聴くことはない。有名なのだが、好んで聴きたくなるような曲ではないのだ。
それよりも、この曲には私にとっては面白いエピソードがある。
私の尊敬する先輩が若い頃の話。
当時流行った喫茶店に名曲喫茶というのがあった。クラシック喫茶とも言っていて、店内には立派なスピーカーからクラシック音楽が割りと大きな音量で流れており、曲をリクエストできたりもした。
彼が、デートをしていて、ムードよく二人で名曲喫茶に入った。彼は、教養のあることころを彼女に見せようとして、注文をとりにきたウエイトレスに言った。
「コーヒー2杯ね。それにリクエストしたいんだけど、ベートーヴェンの交響曲「田園」をお願いしますね。」
そして、連れの彼女には、
「田園はとてもいい曲でね、いつも聴いているんだよ。」
ウエイトレスは、もじもじしていたが、意を決したように、
「お客様、リクエストでございますが、ただいまかかっている曲が「田園」でございますが。」
と言ってにっこり。
一瞬絶句した先輩、慌てて
「いやまあわかっていたんだけど、最初からかけてもらおうかと思ってね。」ふー!
まあ、このときの彼女が、現在の先輩の奥様だというからよかったのだけども。
この私の敬愛する先輩には、面白い逸話がたくさんあるのだけど、また別の機会に。
カラヤン指揮ベルリンフィルハーモニー交響楽団(1962年2月録音)
たぶん10年以上はこの曲を聴いていないと思う。たまたま、後輩の駄洒落のことを書いていて、先輩のことを思い出したので、聴いてみようと思い立った。
「田園」のレコードは、ワルター指揮コロンビア交響楽団の演奏が有名であるが、私のはカラヤンとベルリンフィル。
「田園」は、私が中学生の頃の音楽の授業では、ベートーヴェンの交響曲の中でも第5番「運命」と同じくらい有名な曲であった。
しかし、私たちの子供頃は、社会全体がまだまだ貧乏な時代で、学校にレコードなど備えがなく、視聴覚教育環境はろくなものではなかった。勿論、5番はおろかクラシックのレコードなど聴いたことがなかった。有名な運命の動機も教師の口によって「ダダダダーン」ってこんな感じだよと教わった記憶がある。
だから「田園」についても、ベートーヴェンにしては珍しく標題音楽でとかなんとか高校受験のための知識として教わった程度で、実際はどんな音楽か聴いたことがなかった。
じっくり聴いたのは、社会人になって随分たってからで、ふむふむ、なるほどこれが田園の描写で、ここからが嵐かなどと感心しながら聴いた程度で、あまり心に感じるものではなかった。そのせいか、その後もめったにこの曲を聴くことはない。有名なのだが、好んで聴きたくなるような曲ではないのだ。
それよりも、この曲には私にとっては面白いエピソードがある。
私の尊敬する先輩が若い頃の話。
当時流行った喫茶店に名曲喫茶というのがあった。クラシック喫茶とも言っていて、店内には立派なスピーカーからクラシック音楽が割りと大きな音量で流れており、曲をリクエストできたりもした。
彼が、デートをしていて、ムードよく二人で名曲喫茶に入った。彼は、教養のあることころを彼女に見せようとして、注文をとりにきたウエイトレスに言った。
「コーヒー2杯ね。それにリクエストしたいんだけど、ベートーヴェンの交響曲「田園」をお願いしますね。」
そして、連れの彼女には、
「田園はとてもいい曲でね、いつも聴いているんだよ。」
ウエイトレスは、もじもじしていたが、意を決したように、
「お客様、リクエストでございますが、ただいまかかっている曲が「田園」でございますが。」
と言ってにっこり。
一瞬絶句した先輩、慌てて
「いやまあわかっていたんだけど、最初からかけてもらおうかと思ってね。」ふー!
まあ、このときの彼女が、現在の先輩の奥様だというからよかったのだけども。
この私の敬愛する先輩には、面白い逸話がたくさんあるのだけど、また別の機会に。
英彦山 ― 2008年02月11日 22時03分08秒
英彦山(ひこさん 1199.6m=南岳)
英彦山は、深田クラブ選定の日本二百名山に列された名山である。二百名山には、百名山に惜しくも外れてしまった名山、人によっては百名山よりももっと名山と言われるような名山が名を連ねている。
英彦山は、標高も低く低山の部類だし、見目も麗しいほうではない。そうなのに何故二百名山に列せられることができたのか。
それは、歴史と宗教である。英彦山は、古くから信仰の山として栄え、日本三大修験場の山として、最盛期には八百の宿坊と三千人の衆徒で賑わったという。一時期は、我が地元の宝満山もその配下に従え、その影響は九州一円に及んだという。今でも山中には神社や遺跡が随所に見られる霊山である。
福岡県と大分県の県境をなし、内陸部にあるため一旦積雪したらかなりの間雪が残る。本日も雪を期待して、早起きして車を飛ばした。山中に入ると舗装道路には積雪があり、別所から先、野峠方面へは道路が凍結し、チェーン規制がかかっていた。
別所の大きな無料駐車場に車を停めて、自然歩道を、野営場、スキー場方面に歩こうとしたが道がわからなくなり、あたりを行ったり来たりで一時間近くも時間をロスした。案内標識がやや不親切であろうか。
自然歩道は、期待以上のかなりの積雪で、しかも時間が早いので凍り付いている。転倒しないように用心深く歩く。豊前坊の高住神社下までは、野営場、スキー場、青年の家などの側を通りながらの、雪道を
ほぼ一時間の平行移動だ。
高住神社の石段を登り、神殿の右手に登山口がある。これからは、北岳へ深い雪の中の急登となる。すぐに、逆鉾岩などの奇岩が目にはいるようになる。
左に望雲台への分岐があるので、立ち寄る。20メートル程の、岩と岩の間のかなり急な鎖場を懸命に登りつくと、崖の端にでる。向こうは
千尋の谷底で、竦んでしまう。右へ垂直な壁に太い鎖が張ってあり、わずかな幅の足場を30m程の水平トラバース。積雪で足場がわかりにくくなっており、緊張する。左側は垂直に切れ落ち下が見えない。今までの登山経験の中では、アルプスの大キレットや不帰の険などは、全く怖いとは思わなかったが、ここが一番怖く、遭難の恐れが高いところだと思う。落ちたら絶対に死ぬ。
トラバースした先にこれまた10m程の垂直の壁が立ちふさがり、真ん中に鎖が1本。よじ登ることとするが、万一滑り落ちようものなら途中の棚がないので、千尋の谷底に落ちてしまうこととなる。登りきるとステンレスの手すりがあり、そこでおしまい。手すり先は、百メートル以上も切れ落ちているようで、下が見えないくらいである。望雲台は怖いところだ。
長居は無用、写真を撮りすぐに引き返す。往復20分くらいで分岐に戻る。
北岳への登りは結構きつい。雪ですべるのでなおさらだ。北岳の山頂には縄が張ってある聖域があって立ち入り禁止となっている。
英彦山神宮の上宮があるのは、中岳で、北岳からはやや下って気持ちのいい縦走路をちょっとで登り返す。
中岳山頂には、売店などもあるのだが、本日は閉まっていた。山頂は広くて英彦山山頂のでっかいポールが立っている。が、英彦山の最高点は、次の南岳である。
中岳から南岳まではすぐで、南岳山頂には展望台も設置されていた。
南岳から鬼杉を目指して下る。さすがに南側なので雪は少なくなったが、岩場の急降下となり、望雲台を別にすれば、このコース中では一番の危険箇所だろう。慎重に下る。
かなり下ったところに杉の大木群が現れ、ひときわ大きいのが「鬼杉」で、樹齢推定1200年と案内標識があった。ベンチが置いてあり、ここで昼食。
鬼杉の横をちょっと下り、木の根を掴みながら尾根へ急登すると、これから玉屋神社を経て、英彦山神社奉幣殿にいたる。
下山路であるが、鬼杉まで相当下ったので、奉幣殿まではほとんどが登りであり、かなりくたびれる。
奉幣殿からは、長い参道の石段を下り、右へ車道をたどれば別所の駐車場である。
本日は、登り始めるときに出会った白い犬が、ずっと一緒についてきて結局コース全部に付き合ってくれた。なんだか山の神の化身みたいな感じでさすがは霊山だなと思った。
(6:00)家を出る、
(7:10)別所駐車場、道がわからず1時間弱ロス、
(7:50)自然歩道へ、 (8:45)豊前坊、高住神社下、
(9:00)望雲台分岐、 (9:08)望雲台、 (9:16)分岐へ戻る、
(9:52)北岳山頂、 (10:13)中岳山頂、7分休憩、
(10:28)南岳山頂、 (11:10)鬼杉、昼食
(11:33)鬼杉発、 (12:05)玉屋神社、 (12:30)奉幣殿、
(12:59)別所駐車場に戻る
英彦山は、深田クラブ選定の日本二百名山に列された名山である。二百名山には、百名山に惜しくも外れてしまった名山、人によっては百名山よりももっと名山と言われるような名山が名を連ねている。
英彦山は、標高も低く低山の部類だし、見目も麗しいほうではない。そうなのに何故二百名山に列せられることができたのか。
それは、歴史と宗教である。英彦山は、古くから信仰の山として栄え、日本三大修験場の山として、最盛期には八百の宿坊と三千人の衆徒で賑わったという。一時期は、我が地元の宝満山もその配下に従え、その影響は九州一円に及んだという。今でも山中には神社や遺跡が随所に見られる霊山である。
福岡県と大分県の県境をなし、内陸部にあるため一旦積雪したらかなりの間雪が残る。本日も雪を期待して、早起きして車を飛ばした。山中に入ると舗装道路には積雪があり、別所から先、野峠方面へは道路が凍結し、チェーン規制がかかっていた。
別所の大きな無料駐車場に車を停めて、自然歩道を、野営場、スキー場方面に歩こうとしたが道がわからなくなり、あたりを行ったり来たりで一時間近くも時間をロスした。案内標識がやや不親切であろうか。
自然歩道は、期待以上のかなりの積雪で、しかも時間が早いので凍り付いている。転倒しないように用心深く歩く。豊前坊の高住神社下までは、野営場、スキー場、青年の家などの側を通りながらの、雪道を
ほぼ一時間の平行移動だ。
高住神社の石段を登り、神殿の右手に登山口がある。これからは、北岳へ深い雪の中の急登となる。すぐに、逆鉾岩などの奇岩が目にはいるようになる。
左に望雲台への分岐があるので、立ち寄る。20メートル程の、岩と岩の間のかなり急な鎖場を懸命に登りつくと、崖の端にでる。向こうは
千尋の谷底で、竦んでしまう。右へ垂直な壁に太い鎖が張ってあり、わずかな幅の足場を30m程の水平トラバース。積雪で足場がわかりにくくなっており、緊張する。左側は垂直に切れ落ち下が見えない。今までの登山経験の中では、アルプスの大キレットや不帰の険などは、全く怖いとは思わなかったが、ここが一番怖く、遭難の恐れが高いところだと思う。落ちたら絶対に死ぬ。
トラバースした先にこれまた10m程の垂直の壁が立ちふさがり、真ん中に鎖が1本。よじ登ることとするが、万一滑り落ちようものなら途中の棚がないので、千尋の谷底に落ちてしまうこととなる。登りきるとステンレスの手すりがあり、そこでおしまい。手すり先は、百メートル以上も切れ落ちているようで、下が見えないくらいである。望雲台は怖いところだ。
長居は無用、写真を撮りすぐに引き返す。往復20分くらいで分岐に戻る。
北岳への登りは結構きつい。雪ですべるのでなおさらだ。北岳の山頂には縄が張ってある聖域があって立ち入り禁止となっている。
英彦山神宮の上宮があるのは、中岳で、北岳からはやや下って気持ちのいい縦走路をちょっとで登り返す。
中岳山頂には、売店などもあるのだが、本日は閉まっていた。山頂は広くて英彦山山頂のでっかいポールが立っている。が、英彦山の最高点は、次の南岳である。
中岳から南岳まではすぐで、南岳山頂には展望台も設置されていた。
南岳から鬼杉を目指して下る。さすがに南側なので雪は少なくなったが、岩場の急降下となり、望雲台を別にすれば、このコース中では一番の危険箇所だろう。慎重に下る。
かなり下ったところに杉の大木群が現れ、ひときわ大きいのが「鬼杉」で、樹齢推定1200年と案内標識があった。ベンチが置いてあり、ここで昼食。
鬼杉の横をちょっと下り、木の根を掴みながら尾根へ急登すると、これから玉屋神社を経て、英彦山神社奉幣殿にいたる。
下山路であるが、鬼杉まで相当下ったので、奉幣殿まではほとんどが登りであり、かなりくたびれる。
奉幣殿からは、長い参道の石段を下り、右へ車道をたどれば別所の駐車場である。
本日は、登り始めるときに出会った白い犬が、ずっと一緒についてきて結局コース全部に付き合ってくれた。なんだか山の神の化身みたいな感じでさすがは霊山だなと思った。
(6:00)家を出る、
(7:10)別所駐車場、道がわからず1時間弱ロス、
(7:50)自然歩道へ、 (8:45)豊前坊、高住神社下、
(9:00)望雲台分岐、 (9:08)望雲台、 (9:16)分岐へ戻る、
(9:52)北岳山頂、 (10:13)中岳山頂、7分休憩、
(10:28)南岳山頂、 (11:10)鬼杉、昼食
(11:33)鬼杉発、 (12:05)玉屋神社、 (12:30)奉幣殿、
(12:59)別所駐車場に戻る
いろいろありますね ― 2008年02月14日 22時13分19秒
仕事のちょっとした事件が過ぎ、また大きな事件が起こりそうな気配もある。やはり、気分が落ち込んでいた。そんなとき、東京の友から電話があった。
この春、九州支社に転勤になることが決まったとのこと。楽しみである。
人間は、孤独である。
が、やはりいい友と過ごす時間は大切にしたい。
この春、九州支社に転勤になることが決まったとのこと。楽しみである。
人間は、孤独である。
が、やはりいい友と過ごす時間は大切にしたい。
崩平山 ― 2008年02月17日 19時21分01秒
崩平山(くえんひらやま 1288.4m)
昨日、今日と朝日会の2月例会だった。山歩きは、朝日会にあったレベルの簡単な山、九州の山の雑誌「Green Walk」に「樹氷鑑賞の穴場」として紹介してあった崩平山に決める。当初は、国東半島の津波戸山まで足を延ばす予定であったが、降雪時期は、岩山は避けようという判断だ。
大分自動車道山田インターに9時集合して、水分峠からやまなみハイウェーを九重方面へ。やまなみハイウェーは、両脇には雪が見られたが、通行部分には積雪は全くなく、普通車でも安全に通行できる状態だった。
朝日台レストハウスのすぐ手前に左に林道が入っている。そこを入るとすぐに左右に道が分かれているので右に道なりに車を進める。道にはかなりの積雪が見られたが、四駆なので問題ない。10分も進まないうちにゲートがあり、ここから先は車での進入ができないところが、登山口である。右に登山口の標識があり、車が2~3台は駐車できるだろう。
雪道を緩やかに登っていくと、やがてほとんど一直線に斜面を登るようになる。傾斜が緩やかなので、まったくきつくはない。登山道には、かなりの積雪は見られたが、目当ての樹氷は全くついていない。好天だし、ここ2~3日、比較的暖かかったからであろう。
登山口から40分ほどで、テレビアンテナが林立する山頂に登りつく。山頂の標識にはちゃんと「くえんひらやま」との読み仮名がつけてある。
テレビのアンテナ施設で埋めつくされた山頂は、ちょっと興ざめではあるが、展望は抜群。雪を被った九重連山や、由布岳、鶴見岳がくっきりと見渡せた。簡単に昼食をすませ、下山。
往復一時間強の山歩きは、私にとっては全く物足りないものであるが、まあ、朝日会では仕方がない。
城島後楽園ホテルの温泉「大地の湯」(ネットクーポンを持参すれば一人300円)で汗を流し、別府市内で食料、ビール等の買い物をして、別府鉄輪にある友人の別荘に。
別荘では、すき焼きと麻雀で時のたつのを忘れる。翌日は、柴石温泉に入り、帰宅。朝日会の軟弱山歩きでした。
(10:50)登山口、 (11:33~12:00)山頂、昼食、
(12:30)登山口駐車場所に戻る
昨日、今日と朝日会の2月例会だった。山歩きは、朝日会にあったレベルの簡単な山、九州の山の雑誌「Green Walk」に「樹氷鑑賞の穴場」として紹介してあった崩平山に決める。当初は、国東半島の津波戸山まで足を延ばす予定であったが、降雪時期は、岩山は避けようという判断だ。
大分自動車道山田インターに9時集合して、水分峠からやまなみハイウェーを九重方面へ。やまなみハイウェーは、両脇には雪が見られたが、通行部分には積雪は全くなく、普通車でも安全に通行できる状態だった。
朝日台レストハウスのすぐ手前に左に林道が入っている。そこを入るとすぐに左右に道が分かれているので右に道なりに車を進める。道にはかなりの積雪が見られたが、四駆なので問題ない。10分も進まないうちにゲートがあり、ここから先は車での進入ができないところが、登山口である。右に登山口の標識があり、車が2~3台は駐車できるだろう。
雪道を緩やかに登っていくと、やがてほとんど一直線に斜面を登るようになる。傾斜が緩やかなので、まったくきつくはない。登山道には、かなりの積雪は見られたが、目当ての樹氷は全くついていない。好天だし、ここ2~3日、比較的暖かかったからであろう。
登山口から40分ほどで、テレビアンテナが林立する山頂に登りつく。山頂の標識にはちゃんと「くえんひらやま」との読み仮名がつけてある。
テレビのアンテナ施設で埋めつくされた山頂は、ちょっと興ざめではあるが、展望は抜群。雪を被った九重連山や、由布岳、鶴見岳がくっきりと見渡せた。簡単に昼食をすませ、下山。
往復一時間強の山歩きは、私にとっては全く物足りないものであるが、まあ、朝日会では仕方がない。
城島後楽園ホテルの温泉「大地の湯」(ネットクーポンを持参すれば一人300円)で汗を流し、別府市内で食料、ビール等の買い物をして、別府鉄輪にある友人の別荘に。
別荘では、すき焼きと麻雀で時のたつのを忘れる。翌日は、柴石温泉に入り、帰宅。朝日会の軟弱山歩きでした。
(10:50)登山口、 (11:33~12:00)山頂、昼食、
(12:30)登山口駐車場所に戻る
ダイエット ― 2008年02月19日 00時30分39秒
太りやすい体質なのか、油断しているとすぐに体重が増える。学生時代は56㎏ぐらいがベストだったのが、徐々に太って70㎏を超えたのは、もう随分昔のことのようだ。ストレスが身についたのか、昨年の今頃にはとうとう76㎏になってしまった。こうなると、山登りがとてもきつくなる。
男の美学、一念発起、昨年3月からダイエットを決意した。
方法は、簡単だ。少なく食べて、できるだけ運動をする。
ラーメン等の麺類、焼肉、鰻、アイスクリーム、牡丹餅などが好きなうえ、お酒も大好きときているから、ほっとけばどんどん太る。
だが、これらを食べないようにするのは、ストレスがたまるはずだ。そこで、食べる種類は一切変えないで、量だけを常に抑え目にすることとした。ラーメン・ライスはどちらも少しずつ残すなど、ちょっとだけ努力した。体重は毎朝起きたときに計測して記録する。
運動は、可能な限り毎週どこかの山に登ることと、週二回以上45分以上のウォーキングをすることとした。
やったのはこれだけである。これで、8ヶ月、昨年10月には63㎏にまで落とすことに成功したのだ。目標は62㎏だったので、まあ大成功かな。
ところが、正月を挟んでちょっと油断したのか、今年2月に入ってまた64㎏を超えた。そして16、17日の朝日会で、すき焼きを意地汚く食べ過ぎて、今朝は、とうとう65㎏を超えてしまっていた。所謂、リバウンドというのかな。で、今週は毎日ウォーキングを課しています。
さて、とりあえず今週中に64㎏を切り、今年中には目標達成といきたいものだ。
男の美学、一念発起、昨年3月からダイエットを決意した。
方法は、簡単だ。少なく食べて、できるだけ運動をする。
ラーメン等の麺類、焼肉、鰻、アイスクリーム、牡丹餅などが好きなうえ、お酒も大好きときているから、ほっとけばどんどん太る。
だが、これらを食べないようにするのは、ストレスがたまるはずだ。そこで、食べる種類は一切変えないで、量だけを常に抑え目にすることとした。ラーメン・ライスはどちらも少しずつ残すなど、ちょっとだけ努力した。体重は毎朝起きたときに計測して記録する。
運動は、可能な限り毎週どこかの山に登ることと、週二回以上45分以上のウォーキングをすることとした。
やったのはこれだけである。これで、8ヶ月、昨年10月には63㎏にまで落とすことに成功したのだ。目標は62㎏だったので、まあ大成功かな。
ところが、正月を挟んでちょっと油断したのか、今年2月に入ってまた64㎏を超えた。そして16、17日の朝日会で、すき焼きを意地汚く食べ過ぎて、今朝は、とうとう65㎏を超えてしまっていた。所謂、リバウンドというのかな。で、今週は毎日ウォーキングを課しています。
さて、とりあえず今週中に64㎏を切り、今年中には目標達成といきたいものだ。
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