シャーロック・ホームズ 七つの挑戦2009年11月21日 21時36分10秒

七つの挑戦
シャーロック・ホームズ 七つの挑戦
(エンリコ・ソリト著 天野泰明訳)国書刊行会
 ミステリーファンでなくても、シャーロック・ホームズの名前はご存知だと思います。私立探偵の元祖として、世界一の名探偵として超有名人です。そしてその名探偵が活躍するシリーズは、探偵小説のルーツとして今なお人気がある。
 名探偵のシリーズは、「シャーロック・ホームズ最後の挨拶」から「シャーロック・ホームズの事件簿」で終了しているが、その後たくさんのパロディ・パスティーシュが書かれている。
 この「七つの挑戦」もそのパスティーシュの一つである。先日、本屋を歩いているとき目に付いた。ホームズファンとしては、やはり読みたくなって買ってしまった。
 ホームズは、女王陛下や高貴な人、著名人に係る事件もたくさん解決しているが、中には公表できない事件もたくさんあったに違いない。ワトソンが書きためた公表できなかった事件簿が、偶然イタリアで発見された。
 この本は、それを編纂したという形になっている。読んでみると、まさにワトソンの手記であり原典そのものである。文体、言い回し、雰囲気、よく研究されている。
 そのうえ古典ミステリーとしての面白さや、なぜ当時公表されなかったかもわかるような、登場人物にもたっぷり仕掛けがされていて、サービス満点の本である。
 さすが、イタリアきってのシャーロキアンの著書である。これを読んだら、また古典を読み返したくなった。

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