雷山、井原山縦走2010年05月01日 20時36分21秒

雷山(らいざん 955.3m)
井原山(いわらやま 983m)
 連休の予定は白紙。高速が混雑するので車では動きたくない。百日咳の治療に専念しながら読書と決めていた。
 ところが、昨日急に山仲間から声がかかった。彼も今年度の人事異動で多忙で責任の重い部署に栄転したので、さっそく連休も仕事が入っていたらしいが、急に1日が空いたので山に登りたいとのこと。急なことで、空いているもう二人と四人で、近くの井原山にミツバツツジを見に行くこととなった。
 佐賀県境に近い井原山のミツバツツジは見事なもので、昨年も5月2日に登ったけれど、それはとても綺麗なものだった。
 井原から瑞梅寺ダムの右岸を登り、キトク橋の手前に駐車する。従来、車は道の脇のスペースに停めていて、いつもこの時期は道が車でいっぱいになっていたが、今回はキトク橋の横に広い駐車スペースが設けられていた。地元の方のおかげだろうか。ありがたいことだ。
 キトク橋からは、いったん雷山登山口まで、井原山・雷山中腹自然歩道を歩き、雷山の山頂を踏んで、縦走路を井原山まで歩くこととした。
 自然歩道は、結構なアップダウンがあり、ウォーミングアップとしては堪える歩きだ。雷山山頂までは、美しい清賀の滝経由で、きつい登りを登る。冬場は雪が深くて手軽な雪山が楽しめるコースだが、本日は、新緑が美しい登りとなった。
清賀の滝

 雷山山頂からは、晴天で玄界灘や有明海が望め、遠くには雲仙が霞んでいる。
雷山山頂
 小休止のあと縦走路を井原山まで歩く。縦走路は、アップダウンは結構あるけれど、日当たりがよく、この季節はとても気持ちよく歩ける。
気持ちのいい縦走路
 
そろそろミツバツツジノ群落が見えてくるはずだと期待して歩いたが、残念ながらまだ堅い蕾ばかり。開花率は、0.01%という感じだ。蕾のつきもあまりよくないようだ。やはり寒さが続いたり、日照が不足したせいだろうか。結局、井原山山頂付近にも、ミツバツツジはほとんど咲いていなかった。
今年のミツバツツジ

井原山山頂

 それでも、晴天のすがすがしい季節の中の縦走は、すこぶる気持ちよく、満足がいく山行だった。
 下山は、縦走路を少しだけ戻って、右手にアンの滝方面へ下る。
アンの滝

 1時間少々の急な下りで、車を停めたキトク橋に戻りつく。

(8:30)キトク橋発、雷山・井原山中腹自然歩道、
(9:27)雷山登山口、 (9:54)清賀の滝、
(10:35)上宮、 (11:05-18)雷山山頂、小休止後縦走路へ、
(12:23-13:10)井原山山頂、昼食、
(13:52)アンの滝、 (14:25)キトク橋着。

 昨年5月2日の縦走路はこうでした。
昨年の縦走路



フォア・アンド・モア2010年05月03日 23時10分03秒

マイルズ・デイヴィス「フォア・アンド・モア」
マイルズ・デイヴィス 「フォア・アンド・モア」
 日曜日の「題名のない音楽会」でトランペット奏者が出ていた。トランペットは、哀愁を表現しやすい楽器だとか。そういえば、僕がずっと若い頃、ニニ・ロッソというトランペッターの演奏が流行っていたな。「夜空のトランペット」とか。
 僕もジャズのトランペットは好きです。ちょっと聴きたくなりました。特に、クリフォード・ブラウンとかリー・モーガンが好きですね。
 それでも、今回聴きたくなったのは、それらではなく何故かマイルズ・デイヴィスの「フォア・アンド・モア」。ライブ録音です。こちらのトランペットは哀愁とはちょっと違う。凄いんです。たたきつけるような高速演奏。ロン・カーターのベースが挑発するようなリズムを刻み、他の4人が競い合うように演奏する。音量を上げて聴けば、ほんとのめりこんでしまいます。
 このCDは、村上春樹さんと和田誠さんの著書「ポートレイト・イン・ジャズ」を読んで、ぜひとも聴いてみたくなって購入したものです。本の「マイルズ・デイヴィス」の項を読んだら、音楽好きの人でなくても、誰でもが、「あ!どんな曲だろう!!聴いてみたいな」と思ってしまう、とても素晴らしい文章で紹介してあるのです。
 このCDを買って以来、マイルズの他のCDも少しずつ聴くようになりました。
 今日は、久しぶりに大音量で鳴らしてすっかり堪能しました。いいCDです。

犬の力2010年05月09日 00時23分51秒

犬の力
犬の力(ドン・ウィンズロウ作 東江一紀訳)(上・下)角川文庫
 連休は、あまり動かなかったので、ミステリーを読んだ。昨年の「このミステリーがすごい」の第1位、週刊文春の「ミステリーベスト10」の第2位にランクされている評価の高い作品だが、文庫とはいえ上下二冊で千ページを超える大作だ。ちょっと変わった文体と外国物特有の名前の難しさや姓で呼んだり名で呼んだりなどややこしいことに加え、あっちこちと場面が変わるし、最初はかなりてこずった。
 簡単に言うと、メキシコの麻薬カルテルにたった一人の捜査官が挑む物語です。麻薬と戦っているはずのメキシコ政府さえも信じられず、誰が敵で誰が味方かもわからなくなるし、いつの間にかその立場が入れ替わるような中で、善悪の区別もつかなくなる凄まじい戦いが続く。
 ずいぶんとスケールの大きな物語だし、まあ面白いと言えば面白いのだけど、読後感は、なんだかすっきりしない。
 それにしても、中南米麻薬カルテルが、本当にこんなだったら国民は不幸ですね。
 なお、「犬の力」とは、よく理解できていないけど、例えば「性悪説」に通じるものですかね。
 それよりも、この作者の次の作品「フランキー・マシーンの冬」は、マフィアはもうやらないと決めていたロバート・デ・ニーロが、もう一度だけやろうといいう気になって映画化権を取得したとか。ぜひとも読んでみたいですね。

60年代ポップス2010年05月10日 00時36分37秒

内気なジョニー
 先日、マイルズ・デイヴィスのことを書いたときニニ・ロッソのトランペットにちょっとだけふれた。そのことを考えている時、若い頃はよくポップスを聴いたなあと、いろんな曲を思い出していた。
 勿論、ビートルズは別格であるが、当時一番好きだった曲は、セクシーなハスキーヴォイス、ジョニー・ソマーズの「内気なジョニー」で、今でもとても好きな曲である。わざわざCDまで買って時々聴いている。このアルバム「JOHNNY GET ANGRY(邦題は内気なジョニー)」には、もう一つとても好きな歌「ワン・ボーイ」が収められている。誰かに恋している時などには、つい口ずさみたくなる甘いメロディだ。
 その他、最高なのは、ロネッツの「ビー・マイ・ベイビー」で、今聴いても素晴らしいロックだと思う。ラジオでしか聴いたことがなかったこの曲のビデオが、今はなんとユーチューブの動画サイトで観ることができる。
 そんなこんなでユーチューブの検索をしていたら、なんと僕にとっては宝物のような映像を発見した。
 それは、アン・マーグレットの「バイバイ・バーディ」だ。僕が、セックスを感じた最初の女性と言ってもいいだろう。この映像を見るたびにその感じを思い出す。今でも、こんな可憐でしかもセクシーなドレスの似合う女性が最高だと思います。
 http://www.youtube.com/watch?v=2wKoVAQkGLc&feature=related

久住山2010年05月16日 19時34分53秒

久住山(くじゅうさん 1787m)
 15日(土)、16日(日)は、朝日会の5月例会で久住山に登り、くじゅうやまなみキャンプ場に泊まってきました。
 天気を心配していたのだが、ほぼ快晴の好天になった。マイカーを長者原に駐車して、バスで牧の戸峠に登り、牧の戸登山口から久住山を目指す。
牧の戸登山口

 登山口から沓掛山まではきつい登りだが、そのあとは快適な縦走路となる。残念ながら名物のミヤマキリシマは、まだ全く咲いていないが、快晴の縦走路は気持ちがいい。
西千里が浜から見た久住山
 
 日本百名山の久住山は、最低でも今日登った久住山と、山群最高峰の中岳の二峰は登らないといけないが、朝日会はどこかのピークを踏めば、最高の気分である。山頂標識が新しく立派なものになっていた。
 久住山山頂での昼食後、帰りは、久住分かれから北千里ヶ浜に下り、スガモリ越経由で駐車場所の長者原へ回るコースをとる。
久住分かれ付近から見る噴煙を上げる硫黄山

 
北千里が浜へ下る

スガモリ越えへの登り
 
 ほとんど下りだけど、歩く距離はまあまあある。無駄話をしながらのんびりと下山したが、結構疲れた。
長者原の九重登山口

 長者原のコスモス荘の温泉で汗を流す予定だったが、コスモス荘は取り壊し工事中だった。ハイランドホテルも休業しているようだし、ここら辺の宿泊施設も経営が難しいようだ。
 結局、やまなみハイウェイを少し湯布院のほうへ行ったところにある「やまなみ牧場 まきばの温泉館」で汗を流す(400円)。
 ほとんど常宿としている「くじゅうやまなみキャンプ場」に宿泊して麻雀に興じる。
くじゅうやまなみキャンプ場

 昨年もこの時期にやった記憶があるが、この日もまたも国士無双をあがって大勝した。
 
 翌日は、知り合いのやっているオリジナル家具工房・カフェの店
 「TeDe」 http://www.tede.jp/index.html を訪ねた後、
 また筌の口温泉「新清館」の野趣豊かな露天風呂に浸かり、
野趣豊かな新清館の露天風呂

 日本一の「岡嶋牧場のアイスクリーム」に舌鼓を打って、帰宅した。
(10:20)牧の戸登山口発、 (11:48)久住分かれ、 (12:18-48)久住山頂、昼食、
(13:45)北千里が浜・スガモリ越分岐、 (13:57)スガモリ越、 (15:14)長者原登山口


ジョーカー・ゲーム2010年05月18日 23時43分54秒

ジョーカー・ゲーム
ジョーカー・ゲーム(柳 広司著)角川書店
 昨年の国内ミステリーの第1位は、現在テレビの連続ドラマになっている「新参者」で、第2位は、「ダブル・ジョーカー」であった。
 この「ジョーカー・ゲーム」は、その前篇にあたり、一昨年の国内ミステリーの2位(このミステリーがすごい!)、3位(週刊文春ミステリーベスト10)にランクされていた。
 陸軍内に極秘につくられたスパイ組織「D機関」の設立から、成果まで、まるでシャーロック・ホームズものを読んでいるような面白さである。
 とてつもない風変わりな採用試験に合格した異才、鬼才の面々が大活躍するスパイものではあるのだが、それよりも本格推理小説といったほうがいいような趣のある面白い小説です。
 それぞれの構成員が1話づつ登場しては、鮮やかに落ちをつけていく連作短編の形をとっていてとても読みやすいのもいい。
 冷酷非情なスパイの世界にもちらりと男の友情が見えるのも好感が持てます。

ダブル・ジョーカー2010年05月21日 00時38分23秒

ダブル・ジョーカー
ダブル・ジョーカー(柳 広司著)角川書店
 著者の「D機関」シリーズ2冊目。昨年の「このミス」、「週刊文春」の第2位にランクされている傑作ではあるが、出来は1冊目のほうがいいようだ。
 こちらのほうが、1冊目よりスパイ小説らしくなっている。
 「D機関」設立者、結城中佐の伝説になった話も出てくるし、機関卒業者の海外での活躍ぶりが描かれる。意外性もあってなかなか面白い。
 しかし、時代は太平洋戦争に突入する暗い時代。スパイ活動にも暗雲がたちこめる。多分、続編はもうないでしょうね。

ショパン 練習曲集2010年05月22日 00時08分50秒

ショパン 練習曲集
ショパン 練習曲集作品10、作品25
マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)
 先日、寝ぼけ眼で観ていたテレビ「題名のない音楽会」で、14歳の少女がショパンの練習曲を弾いていた。僕は、ピアノ弾けないのでよくわからないけれど、ものすごいテクニックの持ち主のように感じた。今夜ふとそれを思い出して、「練習曲集」のレコードを聴いた。
 僕が初めて買ったポリーニのレコードで、すごいテクニックと評判になったレコードだ。今でもこの「練習曲集」ではもっとも人気の高いレコード(CD)だということです。
 ピアノの音の一粒一粒がとてもクリアで、元気で、躍動している。とても明解な音楽だと思えます。完璧なテクニックだが機械的で冷たいと言う人もいるようですが、僕は、レコードを聴いてポリーニはすごいピアニストだなと感じました。僕は、ショパンの演奏では、ルービンシュタインが大好きなのですが、それどもこのレコードを聴いてから、ポリーニもすっかり好きになりました。
 今日、ゆっくり聴いてみても、やはり、気分がスカッとするすごい演奏だなと思います。これは、とてもいいレコードだと思います。

映画「アイガー北壁」2010年05月23日 00時09分00秒

映画「アイガー北壁」
 危うく観そこなうところだった。この映画が東京や大阪でかかったのが3月のことだったと思う。前評判がとてもいい映画だったので是非とも観たいと思っていたが、その時点では福岡での上映は全く未定だった。もしかしたら上映されないかもしれないとあきらめていたが、福岡で上映されるとすれば「KBCシネマ」かなと時々ホームページを覗いていたのがよかった。今月中旬からかかっていたのだ。
 雨で登山計画が流れたので、さっそく今日観てきました。
 ともかく凄い映画です。まさに手に汗握るとはこのことです。観終わったときにはぐったりとなっていました。
 ナチスドイツの時代、ベルリンオリンピックを前に、未踏のアイガー北壁の初登頂もまた国威発揚として関心が持たれていた。そこらへんの事情が、映画では分かりにくく、やや退屈な部分もある。が、しかし、である。登頂シーンの後半に入るや、ものすごいシーンの連続である。巨大な断崖絶壁の北壁の映像を観ただけでも、何だか気が遠くなるような感じがするのに、その絶壁を麻のロープ一本で宙づりになってトラバースするシーンなど、平静な気持では見られない。ハラハラドキドキ。
 登攀シーンでは、気がつくと手に汗を握り、全身に力が入っている。すごい映像です。
 結末は観ていない人のために述べませんが、壮絶な映画です。少しでも山登りをしている人なら、是非とも観てもらいたい映画です。
 残念ながら日本ではこんな映画は撮れないかもしれないな。

クリフォード・ブラウンの想い出2010年05月24日 01時10分31秒

リー・モーガン 「Vol.3」
クリフォード・ブラウンの想い出
リー・モーガン(トランペット)
 先日、マイルズ・デイヴィスの「フォー・アンド・モア」のことを書いたとき、好きなトランペッターは、リーモーガンやクリフォードブラウン
だと言った。その二人を好きになるきっかけがこの「クリフォード・ブラウンの想い出」という曲だ。
 もう20年以上も前になるが、FMラジオでやっていた「スタンダーズ・ベスト・セレクション50」という番組で紹介されていたのを聞いた時から、この曲がすっかり好きになってしまった。
 リー・モーガンの、まるで、失った恋人のことを回想しているかのような、甘く物悲しいメロディを、優しい音色で語りかけるようなトランペットがたまらない。きっと初めて聴いた誰でもが、好きになる曲に違いない。
 彼のアルバムは、「ザ・サイドワインダー」のほうが人気があるようですが、僕は、この曲が入っているアルバム「Vol.3」のほうが好きです。このアルバム入っている他のどの曲も、みんないいですよ。お勧めのアルバムです。
 それから、当然ながら、そのクリフォードとはどんな人か、気になりますよね。やはりCDを買って聴くことになる。
 彼については、また別の機会に。