可燃物2024年03月14日 00時52分37秒

可燃物
可燃物(米澤 穂信 著)文芸春秋

 今朝のニュースで、東京都墨田区で連続放火犯が捕まったということを報道していた。ちょうど犯人が、ゴミ集積所のゴミに放火しているところが防犯カメラに映っていて、その映像が放映されていた。

 なんだか今読んでいる小説のシーンにそっくりではないかと、不思議な気持ちになった。その小説が、この「可燃物」だ。

 米澤さんの警察物ミステリーで、表題作の「可燃物」を含む5作の短編集である。5作には、いずれも探偵役の主人公として群馬県警の葛警部が登場する。まあ、連作短編集というところかな。
 この本は、昨年の国内物ミステリーの三冠(週刊文春、このミス、すごい)のベストミステリーである。とうことで、久しぶりに新刊を買って読んだ。

 作者の米澤さんは僕の好きな作者のひとりで、「折れた竜骨」や「太刀洗万智」を主人公にした作品などは大好きですね。でも、「黒牢城」あたりからなんかちょっとねという感じになりましたね。やはり多作だからですかね。

 この短編集「可燃物」も、5作ともちょっと無理という感じのストーリーばかりで、あまり面白くない。いいところは、とても分かりやすい日本語で、余計な描写がなく、すらすらと読めることです。