真実の10メートル手前2016年05月12日 22時18分26秒

真実の10メートル手前
真実の10メートル手前(米澤穂信 著)東京創元社
 昨年の国内ミステリーのベストワンだった「王とサーカス」の主人公太刀洗万智のジャーナリストとしての活動を記録した短編集で、彼女と接触した人物の視点から述べたものだ。
 全部で6篇の物語で、「王とサーカス」の前後、新聞記者時代からフリーの記者になってからのものまで10年間ほどの記録でしょうか。それぞれの短編が、彼女の記者としての姿勢がよくわかる。大きな謎やどんでん返しなどの大きな仕掛けがあるものではないけれど、よく工夫された切れ味のいい短編集である。
 それにずっと気になっていた太刀洗万智の容姿がよりはっきりしてきた。具体的には、「美人で」、「切れ長の目で」、「長い黒髪」の「長身の」女性だという。僕の勝手なイメージでは、NHKの「おはよう日本」のキャスター和久田麻由子さんに似ている。まあ、願望ですね。