ジェノサイド2012年02月03日 23時30分17秒

ジェノサイド
ジェノサイド(高野 和明著)角川書店
 昨年の「週刊文春ミステリーベスト10」と「このミステリーがすごい!」で、ともに1位、「ミステリが読みたい!」では4位にランクされた人気のミステリーです。
 肩が凝らない容易な内容ですし、一気に読める面白さでした。舞台は、日本とアフリカがメイン。
 殺人ウィルスの拡散を防ぐための特命を受けた傭兵達だが、何か別の要因が動き回っている。物語はとんでもない方向へ。
 作者は、元来映画監督志望だったとのことで、できれば映像化したいようなエンターテイメント小説です。アクションスケールが大きいし、ストーリー展開のテンポもいい。さすがナンバーワンミステリーだ。
 しかし、まあ難しい病理や創薬・薬学のこともふんだんにでてくるので、作者の高野さんは、あの瀬名秀明さんのような学者出身の作家かなと思っていたら、純粋な作家・脚本家だったのですね。

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_ ペガサス・ブログ版 - 2012年02月13日 13時15分02秒

高野和明という作家の長編小説「ジェノサイド」を読んだ.冒険小説にしてSF,現代の「戦争と平和」の問題が深く折り込まれている.読み出したらやめられない,スリリングな筋立てに感心し,また「米帝批判」を見事なエンターテインメントに仕上げた作家の技量に脱帽する. 応援のクリック歓迎 南アフリカの人種隔離政策を批判する,これも見事なエンターテインメント映画作品「遠い夜明け」が公開されたのが1987年のことだ.そのわずか7年後に,この抑圧体制によって27年間も獄舎に繋がれていたネルソン・マンデラが大統領に就任するという,まさに180度の転換が起こった. アメリカの世界支配体制の徹底的な批判をエンターテインメントにしたこの作品が映画化され,それがこの体制を揺るがせるきっかけになればと思わずにはいられない. イラク戦争や国名は実名で出るが,アメリカ政府の閣僚は変名にされている.しかし大統領と副大統領の二人は,イニシャルが同じなのは恐らく意図的だろう.現実               小説 ジョージ・ブッシュ大統領    →バーンズ リチャード・チェイニー副大統領 →チェンバレン国防長官は,現実のラムズフェルドが小説ではラティマーという名前.日本語のカタカナでは同じでもアルファベットにするとRとLで違うようだ.また,チェンバレン副大統領(現実のチェイニー)の小説中での運命にご注目を. 以下に引用する一節がこの小説の骨太さを代表している.最後にあるアイゼンハワーの有名な「軍産複合体演説」の全訳は次に置いています. http://ad9.org/pegasus/kb/EisenhowerAddress.html (関連記事 http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2009-01-22