匣の中の失楽2014年01月03日 22時27分32秒

匣の中の失楽
匣の中の失楽(竹本健治 著)講談社ノベルズ
 
謹賀新年 あけましておめでとうございます。

 昨年は、12月に入って、体調を崩したり何やかやで、山も音楽もミステリーもほとんど手がつかなかった。
 年が明けてもまだ、持病の腰痛が悪化してせっかくの長期休暇が活用できていない。今年の最大の目標は、体調の回復だ。
 そんなことで、ミステリー読書もほとんどできなかったのだが、そんなコンディションの悪い時にとんでもないミステリーに手をつけてしまって後悔している。
 購入したのはもう随分前になる(1997年発行)と思うが、何故この本を読もうと思ったのかももう覚えていなかった。
 国内のミステリーにも「奇書」と呼ばれているものがあって、「黒死館殺人事件」、「ドグラ・マグラ」、「虚無への供物」の三つの作品がそうらしい。それにこの「匣の中の失楽」を含めて「四大奇書」という場合もあるとか。
 そのようにへんてこなミステリーである。はっきりいって面白くない。読むのに手こずる。こんなに嫌々ながら読み続けたのも珍しいくらいだ。
 衒学趣味、冗長、難解、登場人物の没個性。
 最悪なのが、作中作というのか、物語の中の登場人物が書いたミステリーが挿入されていて、どこまでがその作品なのか、このミステリー本体なのかわからなくなったりする、非常に読みにくい本だ。この本を説明するのに、「シュレディンガーの猫」を使っていた人がいるが、なあるほどですね。
 本格ミステリーの「マニア」ならともかく、エンターテイメントとしてのミステリー読みには、まったくもって面白くない本である。

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