傷だらけのカミーユ2017年01月12日 22時51分00秒

傷だらけのカミーユ
傷だらけのカミーユ(ピエール・ルメートル著 橘明美訳)文春文庫

 昨年のベストミステリーです。海外物で、週刊文春の「ミステリーベスト10」で1位、宝島社の「このミステリーがすごい!」では6位にランクされている。

 パリ警視庁の警部カミーユ・ヴェルーヴェンを主人公としたミステリーで、今回が三部作の完結編となっている。前二作とも、凄惨な暴力シーンとあっと驚くどんでん返しで、とても面白いミステリーではありますが、読後感があまりよくなかった。
 それでもまあしかし、本作はシリーズの完結編というから、やはり読みたくなりますよね。

 主人公カミーユ警部の愛人が、宝石強盗事件の現場に行き当たり、巻き込まれるところから物語は始まりますが、読むのがつらいようなほんと凄い暴力シーンですよここは。そのあとは、例によって思わぬ方向に事件は展開するのですが、凄惨さも三作目になると少し慣れたかなという感じもします。
 読後感の悪さもまあ、少しだけ緩和された感という感じもする。まあ、よくはないけれどもね。それにしてもカミーユはかわいそうだなあ。孤独だろうなあ。

 よく考えられたプロットと速い展開の描写は読みやすくて、そこはとても面白いシリーズです。これで、シリーズ完結とは少しもったいないくらいです。

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