本当の癒しの音楽2017年10月18日 23時29分11秒

 とても寂しかったり、悲しかったり、絶望しかかったりしているときに、人は音楽を聴く気になるのだろうか。恐らくそんな気にはならないだろうと思う。
 死ぬかもしれないという病気で入院しているとき、時間はたくさんあったのだけど、好きなミステリーも読めないし、音楽も聴く気にならなかった。
 でも絶望する一歩手前で、救いを与えてくれるような音楽がないものだろうか。
 僕は、若い頃は、ショパンのピアノ曲をよく聴いていた。それは哀愁を増幅したうえで昇華してしまうような作用をしていた。多分若さと生命力が上回っていたからだろう。
 でも、今はショパンでは癒されない。悲しみを客観視してしまうからだ。かろうじて今、聴けるのはチャイコフスキーの交響曲第6番とマーラーの交響曲第9番だ。両方とも死を強く意識しているからだろうか。
 でもそれもしょせんつくりものだ。魂の奥から自然に吐き出されたような音楽が聴きたい。そうすれば少しは共感し、もしかしたら癒されることになるかもしれない。
 今、マーラーの9番を聴いています。