雨の影2007年12月07日 00時42分10秒

雨の影(バリー・アイスラー著 ヴィレッジブックス)

 日米混血の殺し屋が主人公のスパイアクション小説。なんのためらいもなく人を殺す殺し屋。ゴルゴ13を思い出すというか、ものすごく強い。実際にこんな殺し屋が存在しているとしたら危険極まりないことなのだが、その彼が、正義の味方かと思われるような、スーパーヒーローとして活躍する。きちんとした人格者として。
 こんな悪人の主人公にも、ついつい共感し、肩入れしてしまう。舞台は、日本。
 敵の多い殺し屋の安全確保のための身の処し方や、尾行のまき方なども詳細だ。美女との絡みも、格闘シーンもリアルで興奮する。
 冒頭の皮肉たっぷりの持って回った言い方、いかにも翻訳ものといった文体に、嫌だな、こんな文体は好きではないなあと思いながら読み始めたのだが、すぐに慣れて、面白さにぐいぐいと一気に読み進めてしまった。
 この「雨の影」は、同じ主人公の二作目で、一作目「雨の牙」の続編となっているようで、できれば一作目から読んだほうが前後の関係が理解しやすいのではと思われる。雑誌「ダカーポ」2006年9月6日号の特集「眠れないほど面白い本111冊」の中で紹介されていた本である。シリーズ4部作となっていて、三作目「雨の罠」、四作目「雨の掟」も既に出版されているようである。

あとは文春2007年12月07日 23時31分11秒

 今日、本屋に行ったら、ミステリーベスト10を紹介した雑誌が三冊出ていました。
 「ダカーポ」の特集「今年最高の本」、「PLAY BOY」1月号の特集「ミステリー徹夜本をさがせ!」、それに20年目になった「このミステリーがすごい」。
 あと、来週か再来週に特集されるであろう「週刊文春」の特集「傑作ミステリーベスト10」だが、これは、この時期になると、本屋で手にとって目次を注意してみていないと買い損なう。「週刊文春」は、いつもはその年の最後の号に特集されるのだが、昨年は12月14日号だった。
 ベストテンで紹介されたもの以外にもいい作品はあるのだろうが、貧乏暇なしの身であるから、こういった雑誌を参考にして読むのが精一杯である。だから、こういった企画は、大変ありがたい。
 僕は、普通は、「文春」と「すごい」との両方ともに上位にランクされているのを買って読むようにしている。
 さて、今年は何を読もうかな。