黄昏のベルリン2007年12月24日 00時58分29秒

黄昏のベルリン
黄昏のベルリン(連城三紀彦 文春文庫)
 混血の画家が、出生の秘密を求めてヨーロッパに飛ぶ。巧妙に仕組まれた罠は、とんでもない方向へ。綿密な構成の冒険推理小説(国際謀略小説と書いてあるけど。)で、なんだか「ダビンチ・コード」を思い出してしまった。
 やや長め文章で、暗めの情景描写も多いので多少読みにくいところはあるが、発想もスケールの大きな小説で、プロットもよく、とても面白い作品だ。
 場面転換が頻繁に行われ、しかもそれとわかりにくい書き方(解説
によると「改行もなしに二倍ダッシ(-)だけで行う、という書き方」)なので、サスペンスが増幅される。
 この小説も、読もうと思っているうちに本屋から姿を消し、探していたらやっと十数年ぶりに出版社を変えて発刊されたみたいだ。
 1988年の文春「傑作ミステリー・ベスト10」で1位、「このミステリーがすごい!」では3位にランクされている。
 この年には、「伝説なき地(船戸与一)」、「そして夜は甦る(原リョウ)」、「ベルリン飛行指令(佐々木譲)」など面白い作品が刊行されてるから、それらを押しのけて高位にランクされているのは、やはり傑作の証拠であろう。

背振山2007年12月24日 18時46分06秒

メタセコイアの密生林
背振山(せふりさん 1055.2m)

(11:36)椎原林道終点登山口 (12:28)鬼ヶ鼻岩 (12:42)椎原峠
(13:38)背振山山頂 (13:45~14:00)山頂下広場で昼食
(14:45)椎原峠 (15:21)登山口

 背振山は、福岡県の西北部で佐賀県とを分ける背振山地の主峰で、配下に、金山、井原山、雷山、蛤山、九千部山などの名山を従えている。日本山岳会の日本三百名山に挙げられている名山で、登山者も多い。
 我が家の窓からいつも眺めているのだが、山地の中央部にピョコンと突き出ていて、なかなか登頂意欲をそそる形である。
 登山道も、なかなか魅力がある。今日のコースは、渓流に沿った自然林の中の道で、気持ちよく歩くことができる。
 何よりも、売りは、生きた化石「メタセコイア」の密生林があることだろう。
よく知らないけど、九州の山では他にはないのではないか。冬の今は、木々は葉を全て落として、そこらじゅうを薄茶色の絨毯にしていたけれど、新緑の頃この林の中を通るだけでもなんだか生気をいっぱい与えられたような気分になる。
 今日は、登山口からしばらくの分岐を右に、鬼ヶ鼻岩を経由して縦走路にでた。健脚コースとの表示があったが、鬼ヶ鼻岩直下の15分程度が急登なだけで、そんなにきついコースではない。
 鬼ヶ鼻岩から背振山山頂までの縦走路は、ほとんどアップダウンがなく、ほんとうに気持ちよく歩くことができる。
 この背振山の最大の欠点は、山頂まで伸びた車道があることである。山頂には、自衛隊のレーダー基地がでんと控えているためである。これが、山頂の景観をだいなしにしているし、車での登山者が多くいて興ざめになるのである。
 わが国をしっかりと防衛している施設だから、仕方ないけれど。
 それにしても、福岡県の山には、レーダー基地が多いなあ。