果鋭2017年04月02日 21時21分28秒

果鋭
果鋭(黒川博行 著)幻冬舎

 作者の黒川博行さんは、やくざと建設コンサルタントの変なコンビが主人公の、僕の大好きな「疫病神シリーズ」の作者で、その「破門」で直木賞を受賞されていますね。また、これは読んでないけど「後妻業」など実事件と関係ありそうな小説も書かれています。
 今回のこの「果鋭」は、中途退職の元府警警察官コンビが主人公です。新聞広告で面白そうだったから読みました。「果鋭」とは、ネットでは意味が調べられなかったけど、僕の持っている古い広辞苑(昭和39年発行)では、「果断で気象の鋭いこと」と書いてありました。気象は、気性と同じですね。
 で、お話は、パチンコ屋の不正玉だし操作と関係する業者、関連業界、やくざなどとの駆け引き、体当たりの交渉で、それをお金に変えていく、やくざ顔負けのしのぎを行っていくという、まあ、パチンコをやったことのあるる人には面白いお話だと思います。
 描写は、余計な修飾は無く、ストレートで、映像的だし読みやすい。「疫病神シリーズ」ほどではないけれど、そこそこ面白いですよ。
 ところで、パチンコの「遠隔操作」というのが、どうやってやるのか、僕はよくわからなかったですね。ホール全体の還元率をコンピュータに入れておけば済むように思うのですが。