謎解きはディナーのあとで22011年12月08日 23時03分44秒

謎解きはディナーのあとで2
謎解きはディナーのあとで(東川篤哉 著)小学館
 テレビ放送中の同名のドラマの原作で、ベストセラーユーモア推理小説の第2弾だ。
 1作目を読んで、まあ面白かったのだが、2作目まで買ってまで読むことはないかなあなんて考えていたのだが、とうとう買ってしまった。
 テレビのほうが、もう2作目のほうまでやっているし、何よりも、帯に書いてある「ラストにはとんでもない展開が待っていた!?」というのが、気になってしまった。
 ユーモア小説ではあるが、2作目も本格推理小説の路線はきちんとまもってあり、とても頑張って書いてあるので、好感が持てる。
 ユーモアのほうは、マンネリが見えてくるのだが、もう1作くらいは続くのではないかという「展開」であった。

冬の旅2011年12月14日 23時21分57秒

冬の旅
シューベルト「冬の旅」
 やっと冬らしくなってきた。寒い季節は、嫌いではないが、やはり時々寂しさを感じる時がある。
 こんな季節になると、恐る恐る取り出して聴いてみたくなる曲が、このシューベルトの歌曲集「冬の旅」だ。
 失恋した青年が放浪の旅に出て絶望するという内容の歌であるが、僕も若いころ絶望的な失恋をした経験があるので、シューベルトがどんな感じで表現しているのか、歌手がどう歌うのか聴いてみたくなる。
 中には音楽の教科書にもある「菩提樹」とかの有名な歌もあるのだが、やはり12曲目の「孤独」そして最終24曲目の「辻音楽師」がすごい。共感できる。
 そのほか、1曲目の「おやすみ」や11曲目の「春の夢」などは、とても美しい。
 どうしても昔の辛い失恋を思い出してしまうので、いつも気楽に聴ける曲ではないが、年に一度くらいはと思い、聴いてしまう。
 昔は、ディスカウとデムスのレコード(1965年)を聴いていたが、今年は、同じディスカウとムーアのCD(1962年)を買った。レコードのほうがいいような感じがするのだが。
 なお、今一番の人気のCDは、ディスカウとバレンボイムのらしいので、一度聴いてみたいと思っている。

鶴見岳の樹氷2011年12月17日 21時24分36秒

 鶴見岳(つるみだけ 1375m)、鞍ヶ戸(くらがと 1344m)
 この冬一番の寒気が来たというので、樹氷を観に鶴見岳に登った。鶴見岳は、由布岳の隣で、別府湾に臨み聳える名峰である(日本三百名山、九州百名山)。ロープウェイが山頂直下まで通じているので、山頂には夏場ならビジネスシューズでも立てる。
 山頂付近の樹氷は、冬の名物となっており、今年もだいぶついているとの情報があったので、この寒波に期待して出かけた。

 由布岳正面登山口のほうから別府のほうへ少し下ったところに、内山、塚原への道が分岐している。その道を少し進んだところに、鶴見岳西登山口がある。道路を挟んで反対側は、由布岳東登山口だ。付近に駐車スペースはないので、道路わきに停める。
 
鶴見岳西登山口

 登山口から鞍ヶ戸のほうへ広い林道がまっすぐに伸びていて、緩やかに登る。やがて右に大きくカーブした先が広場になっており、その左先に西登山口の小さな標識があり、ここからが山道となる。
 雪が少し深くなったので、用心のため軽アイゼンをつける。といってもアイゼンの歯が土をかむ程度の積雪なので、大したことはない。
 涸れ沢を登り、斜面をくねくねと登りつめると「馬の背」に出る。
馬の背

 馬の背は、鶴見岳と内山との分岐だ。右に鶴見岳を目指す。鶴見岳の山頂の大きなテレビ塔が見えてきて、周りは白い雲のような樹氷が広がっている。
鶴見岳の樹氷

 ひと登りで、鶴見岳の山頂だ。山頂の反対側にはロープウェイ駅からの道が登ってきている。まだ、雪に覆われてはいないようだ。
鶴見岳山頂
 
山頂からは別府湾が見下ろす大展望が広がっている。
鶴見岳山頂から別府湾を観る

 由布岳も目の前に聳えているのだが、残念ながらその山頂部分は雲に覆われていた。
 
 少しだけ休憩して、引き返して「鞍ヶ戸」を目指す。
 「鞍ヶ戸」は、鶴見岳から内山への縦走路の途中にあるピークであるが、最近では一つの山として扱われているようだ。
 鶴見岳から鞍ヶ戸のほうを観ると、樹氷がとても美しく、山全体が白髪のように見える。この方面からだと鶴見岳よりむしろ鞍ヶ戸の樹氷が美しい。
鶴見岳から見た鞍ヶ戸

 馬の背に戻り、まっすぐ痩せ尾根を登る。周りは樹氷で真っ白である。
縦走路の樹氷

 樹氷の合間からは遠く九重連山が見える。
樹氷のむこうに九重連山

 この痩せ尾根は、梯子場もあり、ちょっとスリルもあり、面白い道だ。
 痩せ尾根を急登したところのピークがⅠ峰と言われているところで、鞍ヶ戸の山頂標識は、もっとずっとアップダウンを繰り返した先のほうにある。樹氷のついた林の中を服を真っ白にして鞍ヶ戸の山頂標識のあるところにたどり着いた。
鞍ヶ戸山頂

鞍ヶ戸から見た由布岳
 
縦走路から見た鶴見岳と樹氷

 風が強く、すぐに下山。途中、空腹を覚えたが、まだ昼食には少し早い時間だったので、おにぎりを一個だけ食べた。
 馬の背に戻り、往路を戻り、下山。登山口付近からみた由布岳がきれいだった。
西登山口付近からみた由布岳

 下山後は、湯布院の温泉で汗を流して、帰路についた。寒波は、それほどではなかったようだが、樹氷は堪能できたので、満足である。
(7:56)鶴見岳西登山口発、 (9:07)馬の背、 (9:25-44)鶴見岳山頂、
(10:15-17)鞍ヶ戸山頂、 (10:51)馬の背、 (11:36)西登山口に戻る。


2011年のベストミステリー2011年12月18日 22時07分48秒

2011年のベストミステリー
 2011年、今年のベストミステリー、といっても、例によってガイドブック三誌、

 「このミステリーがすごい!」、

 「週刊文春ミステリーベスト10」、

 「ミステリが読みたい!」

 でのことですが、それらが出そろいました。

 僕は、この三誌に共通して上位にランクされたものから選んで読むようにしています。勿論、挙がっていないのにもきっと面白いものがあるのでしょうが、とりあえずは、これらの本が面白い可能性が高い。

 さて、海外物では、三誌全てで第一位、史上初の三冠となった

 「二流小説家(デイヴィド・ゴードン著 ハヤカワポケットブック)」

が断然トップでしょうね。さっそく購入しました。
 次に三誌ともに第二位にランクされた

 「犯罪(フェルディナント・フォン・シーラッハ著 東京創元社)」

 これも面白そうで、既に映画化が決まっていると帯に書いてある。これも購入済み。
 さらに「このミス」と「文春」で三位、「読みたい」で五位にランクされた

「エージェント6(トム・ロブ・スミス著 新潮文庫)」

ですが、これはだいぶ前に読んで既にこのブログに書きました。
 もう一つ、「このミス」と「読みたい」で四位で、「文春」で六位の

「背後の足音(ヘニング・マンケル著 創元推理文庫)」

も読んでみたいですね。

 国内物では、
 「このミス」と「文春」で一位、「読みたい」で四位の

 「ジェノサイド(高野和明著 角川書店)」

が、トップでしょうか。
 ほぼ互角だと思われるのが、「読みたい」で第一位、「このミス」と「文春」で第二位となった

 「折れた竜骨(米澤穂信著 東京創元社)」

でしょう。
 さらには、三誌ともの第三位となった

 「開かせていただき光栄です(皆川博子著 早川書房)」

 と続きます。
 以上の国内物三冊は是非とも読みたいですね。
 なお、「このミス」で第四位、「読みたい」と「文春」で第五位となった

 「絆回廊 新宿鮫Ⅹ(大沢在昌著 光文社)」

については、これも既に読んでブログに書いた。
 
 以上、ちょっと購入費用がかかるけど、まあ読んでみたい、僕の今年のベストミステリーです。

多良岳2011年12月24日 22時31分04秒

多良岳(たらだけ 996m)
 23日(金)、24日(土)は、高校同級生の会「朝日会」の忘年登山で、佐賀・長崎県境にある多良岳に登った。
 多良岳への登山口は数か所あるが、今回は朝日会なのでもちろん最短ルートで、金泉寺登山口からの往復である。僕が山仲間や一人で登るときは多良岳と経ヶ岳とを縦走するコースを登るのだが。
金泉寺登山口

 金泉寺登山口までの道を迷ってしまい、登り始めたのは12時過ぎだった。それでもわずか20分ほどで、再建された金泉寺に着き、そこで昼食とする。
金泉寺

 金泉寺の横には、これは少し古くなった長崎県営の山小屋がある。数十人も宿泊できそうな大きな山小屋であるが、維持管理が大変だということで、存続が問題となっていたようだが、どうなったのであろうか。今日もたくさんの登山者が利用されていたようだったが。

 多良岳へは、緩やかな道を少し登る。
多良岳へ

 やがて石段があり、登ったところに「役の行者(えんのぎょうじゃ)」の石像がある。
役の行者石像

 ここからは、かなり急な登りとなり、鎖などもある岩場などもある。
急な登りとなる

罪人落としの岩

 変化に富んだ面白い登りだ。
岩場

 尾根に出たら右にわずかで、急な石段となり、登りきったところが太良権現のある多良岳山頂である。
多良岳山頂(太良権現)

 三角点は、座禅岩などを越して、さらに奥に行ったピークにあるのだが、最高点はここだし、今日は朝日会なので、ここまで。

 しばらく休憩して下山。大汗かきの僕が、ほとんど汗をかかない楽な登山だった。

(12:34)金泉寺登山口発、 (12:53)金泉寺、昼食、
(13:15)金泉寺発、 (13:40)多良岳山頂(太良権現)、
(13:53)下山、 (14:31)登山口に戻る。

 下山後は、近くの「いこいの村長崎」という宿泊施設(ホテル?)に泊まる。
 このホテルが、ものすごく安かった。なんと、一泊二食で4980円!採算がとれるのだろうかと心配するほどだ。夕飯もバイキングだったが、焼肉あり寿司ありでとてもよかったし、朝食もしっかりした内容だった。
 おまけに、部屋の窓からや大浴場からは、諫早湾越しに、雲仙普賢岳の美しい姿を眺めることができ、大満足。
いこいの村長崎

部屋からの大展望
 
 おかげで、麻雀も楽勝!!!

スカーペッタ 核心2011年12月27日 22時48分49秒

スカーペッタ 核心
スカーペッタ 核心 (パトリシア・コーンウェル著 池田真紀子訳)
              講談社文庫

 検屍官シリーズの17作目。昨年の12月に発行されて、一応買っていたのだが、読むか読まないか迷っていたら、とうとう次の18作目「変死体」が今月発売されてしまった。
 なんとなく気になるのでこの17作目を読んだのだが、はっきり言って面白くなかった。途中で何度も投げ出したくなった。
 どうでもいいことをことさら詳しく描写するので、物語の進行が遅い。シリーズの最初のころと違って、登場人物の心理描写が多すぎる。しかもヒステリックだったり、考えすぎだったり、嫉妬の塊になったり、読んでいていらいらする。
 それに当初は魅力的だった主人公たちが、なんだかみんなおかしくなってきた。一番いやなのは、優秀で美人の少女だったルーシーが、すっかりレズで嫌味な女になってしまったこと。同性愛は、生理的に受け付けない。
 マリーの粗野だけど抜群の行動力や戦闘力も落ちてしまっているようだし。
 最新科学を使った捜査で、カタカナ専門用語多用され、いつのまにか終盤になだれ込み、解決。ちっとも面白くない。
 最新作の18作目「変死体」は、もう読みません。

登り納め2011年12月30日 20時37分28秒

竈神社上宮
 2011年の登り納めは、やはり地元の宝満山にした。というよりも昨日が久留米での麻雀で遅くなったので、まあ近場にした。
 正面登山道を登り、かけ下ったという往復登山でした。天気もまあまあだったので、老若男女たくさんの人が登っていました。
 寒が緩んで暖かい年末で、ポカポカと気分良く登りました。山頂まで、降雪、積雪、凍結等全くなし。秋の登山と言う感じでした。
 わずかに、山頂直下の石段の脇にある手洗い場に氷が張っていただけです。この分だと、氷結する難所ヶ滝もまだまだでしょうね。
 今年は、大変な年だったけど、個人的にはなんとか無事な1年でした。
 来年も山と音楽とミステリーを愛する年になればいいなあと、山頂の竈神社上宮にお祈りして、下山しました。
 みなさん、いいお年をお迎えください。